優しくしないで、好きって言って


 それ──髪につけてきた、髪飾りのことだってすぐにわかった。

 誕生日の日に瑛大がくれた、ボルドーの髪飾り。……気づいてくれてたんだ。


「やっぱり似合ってる」

「……そりゃあ」

「ん?」


 〝瑛大が選んでくれたんだもん〟


 喉まででかかった言葉が、引っかかったまま表に出てくれない。

 代わりに「ありがとう!」と落とし何気なくススッと目線を動かした時、不意に机の上にずらっと並ぶ本のタイトルに目が止まった。