優しくしないで、好きって言って


 本当は鋭い眼光にほんの少し萎縮してしまっていただなんて、当然言えるはずない。

 必死で笑顔を作っていると、巴さんが瑛大のパパに近寄り、その肩にそっと手を置いた。


「ごめんなさいね。この人こんな険しい顔してるけど、緊張してるだけで怒ってるわけじゃないのよ」

「……い、いえ」


 大丈夫です、と呟いて私はもう一度全力の笑みを浮かべた。