──そうしていつの間にか迎えた放課後。
いつものように竜胆に自宅まで送ってもらった私は、制服から少し落ち着いたシックなワンピースに着替えていた。
というのも。
「七瀬、今日はありがとう来てくれて」
「こちらこそ」
瑛大のお家にお呼ばれしていたから。
実は昨日の夜、瑛大から連絡があって相談されたんだ。
〝父親が珍しく休みだから、七瀬に会わせたい〟と。
まだ婚約に関してちゃんと認めたわけじゃないのを隠して会うのは、ちょっと後ろめたいような気もするけれど。
やっぱり挨拶くらいは私もしておきたいと思っていたのよね。



