「さすが優等生の言うことは違うわねぇ」

「もう、やめてよ実玖留……」


 別に私だって、特別好きで勉強をしているわけじゃないのに。

 ただこれは、言うなれば私の〝癖〟、というべきか──。


「あ、そういえば」

「ん?」


 と、気づいたら何やら実玖留が企み顔をしている。


「あれから綾城くんとはどうなの?」


 あれから……2日前の土曜日、4人で水族館に遊びに行った時のことを言ってるんだろう。


「んー、どうって言われても」


 私はニヤニヤと気味の悪い顔をする彼女から目を背けるように首を捻った。


「特になにもないっていうか……」

「ええー」


 正直、今の私たちの関係を言葉に表すのは難しい。

 だって未だにわからないんだ。瑛大の……本当の気持ちが。