優しくしないで、好きって言って


***



「なーなせっ」


 お昼ご飯を食べ終え、水族館内のレストランを後にした私たち。

 男性陣と別れ化粧室に入るや否や、いつもより声を弾ませた実玖留が後ろから私の肩を軽く叩いた。


「そういえば、さっき綾城くんと仲良く写真撮ってたでしょ」

「……見てたの?」

「まあね〜」


 まさか見られてたなんて。

 かあっと赤くなる私を横目に、実玖留は楽しそうにふふんと鼻を鳴らす。