優しくしないで、好きって言って


「……久しぶりな感じしないけどね」


 そうやって口から出たのは、動揺を隠すための咄嗟の言葉。

 でも、同時に嘘なんかではなかった。


 あれから今日まで瑛大と会うことはなかったものの、ここ数日、毎晩のように電話をしているんだもの。

 それも決まって、瑛大の方から。

 ただ何気ない話をして、おやすみのあいさつを交わすだけのそれ。

 どういうつもりなのか知らないけど……。


 その電話を毎晩楽しみに待っている自分がいるってことだけは、はっきりと言える。


 この前気づいてしまったから。

 ……私は、瑛大が好きなんだって。