優しくしないで、好きって言って






 心地よい秋風が吹く、とある晴天の朝。

 私は一人駅の前に立ち、もうすぐ来るであろうその人をじっと待っていた。


 袖がバルーン状になった襟付きの茶色い長袖ブラウスに、お気に入りのジャンパースカート。靴は動きやすいように、少しだけ厚底になったブーツにした。

 髪型はいつものハーフアップだけれど、毛先だけ少し巻いている。

 こんなオシャレをして、これからどこへ行くのかって? それは──。