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「じゃあ、またね」
着替えを済ませた私は、もう帰るという瑛大を玄関で見送ることになった。
パパとママは早朝からお仕事ということで、私一人でのお見送りだ。
「七瀬、しばらく安静だからな」
「はーい。わかってるって」
さっきから、あなたに何度も言われてるんだから。
そういうところ、ほんとあの頃と一緒。
ふっと口角の上がってしまう私に、瑛大はまだ言いたいことがあるらしい。
「それと、寿々香さんたちにもよろしく伝えておいてくれる?」
「うん」
ふわり、浮かんだ笑みに頷く。
すると瑛大はくるりと背中を向け──。
「……それから、久栖さんにも」
何故か再びこちらを向いた。
「竜胆……?」
……って、もしかして。
意図は簡単にわかった。



