不器用なアイツと本音を言えないわたし


 「このラッピング……かわいい。」

 「オマエ、好きだろそういうの」

 「これ、自分で買いにいったの?」

 「……めっちゃ、ハズかったわ……いいから早く開けてみろよ」
 わたしから顔を逸らして、恥ずかしそうに言うあいつの頬が、赤くなってる。
 ラッピングを丁寧に外すと、中にはピンク、水色、紫のパステルカラーのラインマーカーが入ってた。ラインマーカーのキャップの先にはそれぞれ星、リボン、花の飾りが付いていた。

 「きれいな色……!」

 思わず声が出ちゃったわたし。

 そんなわたしを見て、あいつは嬉しそうに目を細めて小さく何度も頷きながら、笑ってた。