傷だらけの夜と余花の雨

「え?」




その子は顔を上げて




「あ、あ〜大丈夫です、具合が悪い訳じゃないので」





少し驚いた声で私に言ってくれた




「良かった〜私がここに座った時机に顔を埋めてたから具合が悪いのかなぁ〜って思って」





「ごめんね、心配かけるようなことしちゃって」






「ううん!全然大丈夫!」





(はぁ~よかった~なんだか悲しそうな悩んでるような気がしてた気がしてたけど?)





私は零央のことなんか忘れて隣の席の子が気になって仕方なくなっていた



すると,突然




「あの〜さっき一緒に登校してきた子はどこにいるの?」




零央のことを聞いてきた私はすんなりと答えた




「さっき一緒に来てた?あ〜零央のこと?零央なら「ちょっと屋上行ってくる」って言って荷物持ったまま行っちゃったよ!一言言ってくれるからいいけど、いつも学校来るとどっかいちゃうんだもん!はぁ〜」




そんな話をしたもんだから少しだけ寂しい気持ちになった




「俺も、その気持ち分かるなぁ〜誰かと一緒って楽しいよね〜」




相手は小声で言ったつもりだろうが私にははっきりと聞こえた





「そうなんだよ!1人って寂しいし、嫌なこと考えちゃうもん、」




「それ凄くわかる!」




私が返事をすると嬉しそうな声が返ってきた




「私たちってもしかして気が合うのかな?」




「そうじゃなきゃこんなに会話続かねぇーよ」




相手のこと話していると何故か同じことでいつの間にか意気投合していた




「話に夢中で自己紹介するの忘れてた、私、朝日凪!」





そういえば名前を言っていなかったと思い伝えた



「俺は、神崎璃空」




「よろしくね!」





「うん!よろしく!」




(神崎さんかぁ~零央に早く自慢したいなぁ~話せる人が出来たって!)




私は嬉しさと自慢したい気持ちで口角が上がりっぱなしだった