冷酷社長な旦那様が「君のためなら死ねる」と言い出しました~ヤンデレ御曹司の激重愛~

 以前も『そんなにあいつのことが好きですか……』と、若干理解できないといった調子で言われたが、彼は俺たちの交際を反対するでもなく見守ってくれている。秋華にも俺の秘密は内緒にしてくれていた。

「でも最近、反省したんです。愛し方を変えないと、彼女を困らせてしまうだけだと気づかされる出来事があったので」

 秋華が実家に帰ったまま戻らなかったあの日、彼女の異変を察知して気が気ではなかった。

 俺の目の届かないところで、つきまとっていた白鳥さんがなにかするのでは、という不安もあったが、秋華が俺から離れようとしているのかもしれないという漠然とした焦りもあって。

 なぜって、頬に触れようとして拒絶されたのは初めてだったから。

 俺のことが嫌になったのか? もしそうだとしたら……離婚を切り出される前になんとしてでも気持ちを繋ぎ止めておかなければ。

 焦燥に駆られ、彼女が退勤した頃を見計らって迎えに行くと白鳥さんが絡んでいたので、言い方は悪いがタイミングがよかった。秋華を守り、家に連れ帰ることができたのだから。

 結局、彼女が悩んでいたのは俺の父との会話が主な原因だったようだが、俺はもう自分を抑えておくことができそうになかった。

 すべてをさらけ出しても、彼女なら受け止めてくれるのではないか。受け止めてほしい、という自分勝手な期待を持って本心を打ち明けたのだ。