「ちゃんと帰ってくるって。僕は和装好きだから、初詣行くのも嫌じゃないしね。まあ、親と一緒ってのがちょっとアレだけど」
「むしろアレでしかない。秋華とふたりでゆっくり来たかった」
むすっとしている桐人さんに、頼久さんとお義母様はけらけらと笑い、お義父様は「アレとはなんだ」とお怒りモードでツッコんだ。
なんだかんだで仲のいい家族だよなと思っていると、見えない鬼の角がにょきっと生えているようなお義父様が言う。
「条件のいい見合い話をすべて断って、秋華さんとの結婚を認めてやったんだ。これくらい我慢しなさい」
うっ……そう言われると肩身が狭い。でもそうだよね、私より会社のメリットになる家柄の女性はたくさんいるだろうに、恋愛結婚を認めてくれたんだもの。ご両親に感謝しなくちゃ。
肩をすくめると、お義母様が「ちょっとあなた」と少々咎めた。桐人さんもとても不快そうに眉間にシワを寄せ、文句を言いたげに口を開きかけたものの、その瞬間にお義父様が言葉を続ける。
「むしろ、大晦日に集まってウチに泊まっていくくらいの甲斐性を見せてほしいものだ。秋華さん、酒はいける口なんだろう? 晩酌に付き合うのも嫁の仕事のひとつだぞ」
「結局、秋華さんと一緒に飲みたいだけじゃん」
注意されているような気がしたものの、ぷっと噴き出した頼久さんがそう言うので、私はキョトンとした。
「むしろアレでしかない。秋華とふたりでゆっくり来たかった」
むすっとしている桐人さんに、頼久さんとお義母様はけらけらと笑い、お義父様は「アレとはなんだ」とお怒りモードでツッコんだ。
なんだかんだで仲のいい家族だよなと思っていると、見えない鬼の角がにょきっと生えているようなお義父様が言う。
「条件のいい見合い話をすべて断って、秋華さんとの結婚を認めてやったんだ。これくらい我慢しなさい」
うっ……そう言われると肩身が狭い。でもそうだよね、私より会社のメリットになる家柄の女性はたくさんいるだろうに、恋愛結婚を認めてくれたんだもの。ご両親に感謝しなくちゃ。
肩をすくめると、お義母様が「ちょっとあなた」と少々咎めた。桐人さんもとても不快そうに眉間にシワを寄せ、文句を言いたげに口を開きかけたものの、その瞬間にお義父様が言葉を続ける。
「むしろ、大晦日に集まってウチに泊まっていくくらいの甲斐性を見せてほしいものだ。秋華さん、酒はいける口なんだろう? 晩酌に付き合うのも嫁の仕事のひとつだぞ」
「結局、秋華さんと一緒に飲みたいだけじゃん」
注意されているような気がしたものの、ぷっと噴き出した頼久さんがそう言うので、私はキョトンとした。



