冷酷社長な旦那様が「君のためなら死ねる」と言い出しました~ヤンデレ御曹司の激重愛~

 執着という単語に反応してしまったけれど、人それぞれなんだなと思う。絢のように執着心が決していいとは言えない方向に向く人と、桐人さんのように誰かを幸せにできる人がいるから。

「皆に迷惑かけて悪かったって反省してる。厨房の人にも謝っておいて。シェーレならともかく、ここじゃ私は患者の家族でしかないから入れないだろうし」
「うん。わかった」

 ちゃんと過ちを悔いているようなので、私もしっかり了承した。彼女はどこか吹っ切れたように顔を上げて深く息を吸い、さっぱりとした調子で言う。

「私、総務に異動になると思う。昇進の件も白紙。まあ当然よね」
「……そっか」
「振り出しに戻ったけど、また一番を目指すわ。どこに行っても適応できるタイプだから」

 開発に直接関わらない部署へ異動という処分になったようだけれど、絢は納得しているようだ。むしろ前向きで、羨ましいほど自己肯定感が高い。

 でも痛い目を見ただろうし、これを機に彼女は変わっていくかもしれないと思いながら自然に口角を上げる。

「頑張ろうね。お互いの場所で」

 私も前向きな言葉をかけると、彼女はこれまでとは少し違った穏やかな笑みを見せて小さく頷いた。