冷酷社長な旦那様が「君のためなら死ねる」と言い出しました~ヤンデレ御曹司の激重愛~

「よかったね~おめでとう! 今度写真見せてね」
「はい! あ、でもお兄ちゃんにはしばらく内緒で。ああ見えてシスコン気味なとこあるんで」
「そっか、了解」

 蘭先生も結海ちゃんには甘いもんなと思いつつ、近くにいなかったかな?と廊下のほうへ目をやる。

 その時、こちらを見て立っていた女性と目が合い、彼女はびくっと肩を跳ねさせた。

「え、絢!?」

 いつもは腎臓内科にいる彼女が、なぜか血管外科にいる。驚いて声をあげると、彼女はとても居心地悪そうな顔をして目を背ける。

「……お邪魔みたいだから帰るわ」
「ちょっとちょっと!」

 慌てて止めると、結海ちゃんが気を利かせて席を立ち、「私もう帰るので。どうぞ」と絢に譲ってくれた。

 私に笑顔で手を振って去っていく彼女と入れ違いで、絢が気まずそうに席についた。なにから切り出そうか迷っている感じで目を合わせないので、こちらから振ってみる。

「違ってたら悪いけど、謝りにきてくれたの?」

 ストレートに言うと、彼女はかあっと顔を赤くして動揺を露わにする。

「おっ、思い上がるのもいい加減に──!」
「だってそれ、私が好きなドーナツでしょ」