それから、白鳥さんのフルーツの一件は絢が自作自演していたというトンデモな事実と、シェーレの機器にも異常はなかったという話を聞き、ほっと胸を撫で下ろした。
和奏の予想通り、やっぱり絢は報復せずにいられなかったみたいだ。桐人さんのおかげで悪事を認めたようで、処分も検討中だと言っていたけれど、とにかくご家族に謝って二度と迷惑をかけないでほしい。
そして私は、ふたりがデイルームで話しているのを盗み見てしまったことを白状した。桐人さんは、抱きつこうとした絢をすぐさま引き離してお説教したらしい。
『よかった……絢のこと優しく慰めてるのかと思いました』
ほっとする私に、彼はものすごく嫌そうな顔をした後、なにかを考えるように顎に手を当ててこう言った。
『そんなふうに思われていたとは、まだ愛し足りないということか。もっとわからせてあげないといけないな?』
ダークな瞳で流し目を向けつつ、嬉しさをかいま見せる彼。ぎくりとした私は、息もつかせぬくらいのキスでお仕置きされたのは言うまでもない。



