とろける瞳で私を見つめ、長い指が私の髪を滑る。愛しそうに、何度も。
「秋華と出会わなければ、〝執着心〟というものを知らなかった。仕事に対しても、恋愛でも。君のおかげで今の俺がいるんだ」
大層なひと言だけれど、私が必要だったということが伝わってきて胸が震えた。
どうしてここまで深く想って大事にしてくれるのか、今やっとしっくりきた気がする。私との出会いも再会も、桐人さんにとって鮮烈な思い入れのある特別なものだったのだ。
彼の執着心は、つまるところ愛なのだと思う。患者にも、私にも、ひたむきに向き合って相手のために尽くすことを厭わない。
そんな愛情深い彼の人生に関わることができて、私も本当に幸せだ。
「俺の人生も、愛も、君にすべてを捧げる。重いだろうが受け取ってくれ」
桐人さんらしい告白に、私は涙ぐみながらも「嬉しい」とふふっと笑った。難病持ちの私も、別の意味でだいぶ重いのでお互い様だ。
「私も、あなたにすべて捧げます」
頬に当てられた手を取って愛情のお返しをすると、彼の表情も幸せそうにほころんだ。
ひと足早い結婚式のごとく、誓い合って唇を寄せる。これからなにがあってもふたりの気持ちは離れないと、強く実感した夜だった。
「秋華と出会わなければ、〝執着心〟というものを知らなかった。仕事に対しても、恋愛でも。君のおかげで今の俺がいるんだ」
大層なひと言だけれど、私が必要だったということが伝わってきて胸が震えた。
どうしてここまで深く想って大事にしてくれるのか、今やっとしっくりきた気がする。私との出会いも再会も、桐人さんにとって鮮烈な思い入れのある特別なものだったのだ。
彼の執着心は、つまるところ愛なのだと思う。患者にも、私にも、ひたむきに向き合って相手のために尽くすことを厭わない。
そんな愛情深い彼の人生に関わることができて、私も本当に幸せだ。
「俺の人生も、愛も、君にすべてを捧げる。重いだろうが受け取ってくれ」
桐人さんらしい告白に、私は涙ぐみながらも「嬉しい」とふふっと笑った。難病持ちの私も、別の意味でだいぶ重いのでお互い様だ。
「私も、あなたにすべて捧げます」
頬に当てられた手を取って愛情のお返しをすると、彼の表情も幸せそうにほころんだ。
ひと足早い結婚式のごとく、誓い合って唇を寄せる。これからなにがあってもふたりの気持ちは離れないと、強く実感した夜だった。



