「え、えぇっ!? なんで? だって、あの時は眼鏡を……!」
「ああ、あの後レーシック手術を受けたから。シェーレのレーザー機器の臨床試験を兼ねて」
「自分で被験者になったんですか!?」
自分の目を指差す彼に脱帽して、あんぐりと口を開けた。
自社の製品を自分の身体で試すなんて、さすがとしか言いようがない。が、それより衝撃の事実の連続で驚きっぱなしだ。
俯いていてあまり顔を見なかったことと、眼鏡のおかげで別人だと思い込んでいたけれど、桐人さん本人だったとは。遠慮なく愚痴りまくっていた自分が恥ずかしい……。
でも、桐人さんでよかったと心から思う。
「本音を聞いてもらって、桐人さんの言葉にもすごく励まされたんですよ。気づいていれば、もっと早くお礼が言えたのに」
少々悔やむ私に、彼は「いいんだよ、礼なんて」と言って軽く笑った。そんな彼は、おもむろに腰を上げてベッドの端に座り、私の髪に手を伸ばす。
「あの頃は秋華をただの患者としか見ていなかった。でもこの子を救いたいと強く思って、がむしゃらになったのは初めてだった。シェーレで再会した時も、本当はすごく感激したよ。君が生き生きと働いていて嬉しかったし、手術を勧めた自分の選択は決して間違いではなかったと思えた」
「ああ、あの後レーシック手術を受けたから。シェーレのレーザー機器の臨床試験を兼ねて」
「自分で被験者になったんですか!?」
自分の目を指差す彼に脱帽して、あんぐりと口を開けた。
自社の製品を自分の身体で試すなんて、さすがとしか言いようがない。が、それより衝撃の事実の連続で驚きっぱなしだ。
俯いていてあまり顔を見なかったことと、眼鏡のおかげで別人だと思い込んでいたけれど、桐人さん本人だったとは。遠慮なく愚痴りまくっていた自分が恥ずかしい……。
でも、桐人さんでよかったと心から思う。
「本音を聞いてもらって、桐人さんの言葉にもすごく励まされたんですよ。気づいていれば、もっと早くお礼が言えたのに」
少々悔やむ私に、彼は「いいんだよ、礼なんて」と言って軽く笑った。そんな彼は、おもむろに腰を上げてベッドの端に座り、私の髪に手を伸ばす。
「あの頃は秋華をただの患者としか見ていなかった。でもこの子を救いたいと強く思って、がむしゃらになったのは初めてだった。シェーレで再会した時も、本当はすごく感激したよ。君が生き生きと働いていて嬉しかったし、手術を勧めた自分の選択は決して間違いではなかったと思えた」



