冷酷社長な旦那様が「君のためなら死ねる」と言い出しました~ヤンデレ御曹司の激重愛~

 以前、確かに彼は『秋華と出会って、病気についてたくさん調べた。それがきっかけで、副作用の少ない薬を作ろうとしているのは事実だよ』と言っていた。私はシェーレで会ったのがきっかけだと思っていたのに、それよりずっと前だったとは。

「そんなに前から考えてくれていて、しかも実現させたなんて本当にすごい……!」
「秋華が心から笑って生きていけるようにするためなら、俺の命を削ってでも努力は惜しまない。まあ、君がどんな姿になろうと俺の愛は変わらないけどね」

 桐人さんは私の手を取り、当然のごとく言う。その大きな愛が嬉しくて、私は照れ笑いを浮かべて「わかってます」と頷いた。

 そうだよね。私が動けなくなろうが太ろうが、桐人さんは関係なく愛してくれると信じている。もう彼の愛を疑いなどしない。

 彼は物足りないというようにするりと長い指を絡ませ、意味ありげに口角を上げる。

「無責任じゃなかっただろ? 『君のすべてを愛してくれる人がきっと現れる』って言葉は」

 ──ついさっきの夢でも聞いたひと言。記憶の映像が重なって、私は大きく目を見開いた。

 そんな、まさか……あの時の眼鏡の男性って、桐人さんだったの!? 今はコンタクトもしていないのに!