今度は腕か……。秋華の血管炎は再燃しやすいらしいが、こんなに早くなるとは。やはり難病は一筋縄ではいかないと思い知らされる。
しかし、再燃してしまったものは仕方がない。問題はその重症度だ。
「再燃した場合も、寛解するまでに長くかかるんですか?」
「詳しい検査を行わないとはっきり言えませんが、血液検査の結果や症状を見る限り重症ではなさそうなので、比較的軽く済むと思いますよ。投薬治療で症状自体は一、二週間で治まるんじゃないかな」
蘭先生の表情からも安堵しているのがわかり、俺も頷いて胸を撫で下ろした。前回のように手術しなければいけない状態ではなさそうでよかった。秋華も少しは安心するだろう。
先生は血液検査の用紙を俺に渡し、今後の治療方針について説明する。
「今日はこのまま入院してもらって、明日造影MRIを行います。それによってですが、免疫抑制剤と一緒にステロイドももう一度併用したほうがいいかもしれませんね」
「……そのステロイドですが、シェーレの新薬を使っていただけませんか?」
姿勢を正し、まっすぐ目を見つめて交渉すると、一瞬驚いた彼の表情がみるみる険しくなっていく。
「まさか、また治験を行おうと? 六年前のこと、忘れたわけではありませんよね?」
一気に厳しさを増した声で言われ、俺の脳裏に当時の記憶が蘇る。
しかし、再燃してしまったものは仕方がない。問題はその重症度だ。
「再燃した場合も、寛解するまでに長くかかるんですか?」
「詳しい検査を行わないとはっきり言えませんが、血液検査の結果や症状を見る限り重症ではなさそうなので、比較的軽く済むと思いますよ。投薬治療で症状自体は一、二週間で治まるんじゃないかな」
蘭先生の表情からも安堵しているのがわかり、俺も頷いて胸を撫で下ろした。前回のように手術しなければいけない状態ではなさそうでよかった。秋華も少しは安心するだろう。
先生は血液検査の用紙を俺に渡し、今後の治療方針について説明する。
「今日はこのまま入院してもらって、明日造影MRIを行います。それによってですが、免疫抑制剤と一緒にステロイドももう一度併用したほうがいいかもしれませんね」
「……そのステロイドですが、シェーレの新薬を使っていただけませんか?」
姿勢を正し、まっすぐ目を見つめて交渉すると、一瞬驚いた彼の表情がみるみる険しくなっていく。
「まさか、また治験を行おうと? 六年前のこと、忘れたわけではありませんよね?」
一気に厳しさを増した声で言われ、俺の脳裏に当時の記憶が蘇る。



