家にいるかは確信がないと蘭先生は言っていたが、急いで帰宅するとリビングの電気はついているようだった。エレベーターで上がる数十秒すらもどかしく、慌ただしくドアを開けて中へ入る。
物音がしないリビングのソファには、だらんと手を下げて仰向けに倒れている秋華がいた。血の気が引く感覚を覚えるも、そこに駆け寄り軽く肩を揺すって声をかける。
「秋華! 大丈夫か!?」
「ぁ……桐人、さん……?」
うっすら目を開いたのでほっとするが、身体が熱く手に発疹が出ているのを見ると胸が痛くなった。最近の不調は風邪ではなかったのに、気づいてやれなかったのが悔やまれる。
ぼうっとしている秋華は起き上がろうとしたものの、「痛っ」と顔をしかめて腕を掴んだ。
血管炎はピリピリとした神経痛を伴うことがある。それかもしれないと考えながら、とにかく水分を摂らせなければと経口補水液を用意した。
背中に手を当てて上体を起こし、息が荒い彼女にそれを飲ませて声をかける。
「準備をしたら病院へ行こう。蘭先生が、手術が終わり次第診てくれるらしい」
「はい……。なんか桐人さんに会ったら、安心しちゃった」
ぐったりしているのにえへへと笑う彼女が、いじらしくてたまらない。しかし、その表情はすぐに伏し目がちになっていく。
物音がしないリビングのソファには、だらんと手を下げて仰向けに倒れている秋華がいた。血の気が引く感覚を覚えるも、そこに駆け寄り軽く肩を揺すって声をかける。
「秋華! 大丈夫か!?」
「ぁ……桐人、さん……?」
うっすら目を開いたのでほっとするが、身体が熱く手に発疹が出ているのを見ると胸が痛くなった。最近の不調は風邪ではなかったのに、気づいてやれなかったのが悔やまれる。
ぼうっとしている秋華は起き上がろうとしたものの、「痛っ」と顔をしかめて腕を掴んだ。
血管炎はピリピリとした神経痛を伴うことがある。それかもしれないと考えながら、とにかく水分を摂らせなければと経口補水液を用意した。
背中に手を当てて上体を起こし、息が荒い彼女にそれを飲ませて声をかける。
「準備をしたら病院へ行こう。蘭先生が、手術が終わり次第診てくれるらしい」
「はい……。なんか桐人さんに会ったら、安心しちゃった」
ぐったりしているのにえへへと笑う彼女が、いじらしくてたまらない。しかし、その表情はすぐに伏し目がちになっていく。



