帰ったらすぐ秋華に話して安心させてあげよう。風邪っぽい症状があると言っていたし、心の問題だけでもなくしてあげたい。
機器の不具合ではなかったと明らかになったこともあり、俺自身も気持ちが軽くなったのを感じながら社に戻った。
社長室で残りの業務も順調に進めていた最中、スマホが鳴り始めて手に取ると、意外すぎる人物の名前が表示されていて目を丸くする。
……蘭先生が俺に直々に電話をかけてくるなんて、いったいなんの用だ?
ずっと前に交換していた連絡先が数年ぶりに機能したことに驚きと戸惑いを露わにしつつ、通話ボタンをタップする。
「はい、八影です」
《蘭です。あなた今どこにいるんですか?》
なんだか焦燥感を抱いた調子で問いかけられたので、眉根を寄せてとりあえず答える。
「会社ですが。なんですか、いきなり」
《すぐ家に帰ってみてください。秋華ちゃんが心配です》
「秋華……?」
どういうことなのか、ざっと説明してもらっている途中で、俺は荷物をまとめて社長室を飛び出した。
ついさっき秋華から電話があり、高熱や発疹など血管炎らしき症状が出てきたと訴えていたこと、話している途中で通話状態のまま急に声がしなくなったこと。それらを聞いて放っておけるわけがない。
機器の不具合ではなかったと明らかになったこともあり、俺自身も気持ちが軽くなったのを感じながら社に戻った。
社長室で残りの業務も順調に進めていた最中、スマホが鳴り始めて手に取ると、意外すぎる人物の名前が表示されていて目を丸くする。
……蘭先生が俺に直々に電話をかけてくるなんて、いったいなんの用だ?
ずっと前に交換していた連絡先が数年ぶりに機能したことに驚きと戸惑いを露わにしつつ、通話ボタンをタップする。
「はい、八影です」
《蘭です。あなた今どこにいるんですか?》
なんだか焦燥感を抱いた調子で問いかけられたので、眉根を寄せてとりあえず答える。
「会社ですが。なんですか、いきなり」
《すぐ家に帰ってみてください。秋華ちゃんが心配です》
「秋華……?」
どういうことなのか、ざっと説明してもらっている途中で、俺は荷物をまとめて社長室を飛び出した。
ついさっき秋華から電話があり、高熱や発疹など血管炎らしき症状が出てきたと訴えていたこと、話している途中で通話状態のまま急に声がしなくなったこと。それらを聞いて放っておけるわけがない。



