これが他の人だったら絶対様子見にするでしょ、と心の中で物申していると、彼は靴下を履かせながらどことなく愉悦に浸るような表情を見せる。
「まあ、このままでもいいが。秋華がたとえ歩けなくなっても、俺がすべて世話をするから心配いらない」
「……い、行きます。病院」
重い上にややダークな愛情を感じて、つい了承してしまった。ちょっと嬉しそうに言わないでほしい……。
結局、またしてもお姫様抱っこをされてタクシーまで運ばれ、マンションではなく白藍総合病院へ向かうことになった。
待合には具合が悪そうな子供や、車椅子に乗ったおじいさんなど数人がいて、しばらく待ってから診察室に呼ばれた。夜間にもかかわらず丁寧に対応してくれて、骨折ではなさそうだと言われひと安心する。
私は血管炎を発症した時、脚の血管に炎症を起こしてしまい、じんじんした痺れや筋力の低下で転びやすくなった。当時よりも今のほうが痛みはあるけれど、パートナーが一緒にいてくれる心強さは比較にならない。
テーピングで足首を固定してもらったら、自力で歩くのも苦ではなくなった。それでも桐人さんは、私の腰を支えて歩いてくれる。
「まあ、このままでもいいが。秋華がたとえ歩けなくなっても、俺がすべて世話をするから心配いらない」
「……い、行きます。病院」
重い上にややダークな愛情を感じて、つい了承してしまった。ちょっと嬉しそうに言わないでほしい……。
結局、またしてもお姫様抱っこをされてタクシーまで運ばれ、マンションではなく白藍総合病院へ向かうことになった。
待合には具合が悪そうな子供や、車椅子に乗ったおじいさんなど数人がいて、しばらく待ってから診察室に呼ばれた。夜間にもかかわらず丁寧に対応してくれて、骨折ではなさそうだと言われひと安心する。
私は血管炎を発症した時、脚の血管に炎症を起こしてしまい、じんじんした痺れや筋力の低下で転びやすくなった。当時よりも今のほうが痛みはあるけれど、パートナーが一緒にいてくれる心強さは比較にならない。
テーピングで足首を固定してもらったら、自力で歩くのも苦ではなくなった。それでも桐人さんは、私の腰を支えて歩いてくれる。



