冷酷社長な旦那様が「君のためなら死ねる」と言い出しました~ヤンデレ御曹司の激重愛~

「緊急時の心肺蘇生は、素人が唯一できる医療行為だ。怖いだろうが、こういう時ためらわずに皆ができるような機器に改良していかなきゃな」

 仕事中の熱心な目をする彼を、胸を熱くして見つめる。人の命を助けられるのは医者だけじゃないのだと思わされる。

 桐人さんの瞳はすぐに優しいものになり、私を見下ろして「帰ろうか」と声をかける。頷いて歩き出そうとした時、右足に強い痛みが走って思わず声をあげた。

「痛っ……!」
「どうした?」
「さっき、コンビニから出る時に捻っちゃって。いたたた」

 さっきまでは必死でそこまで気にならなかったけれど、今になって結構な痛みを感じてうまく歩けない。やむなく桐人さんに寄りかかる私を、彼はしっかりと支えてくれる。

「悪い、俺が急かしたから」
「いやいや! 私がおっちょこちょいなだけですよ」

 なにも悪くないのに謝る彼に明るく笑い返す。本当にドジだな、私。湿布で治るといいのだけど。

 そんなふうに軽く考えていたら、ひょいっと抱きかかえられて「えっ!?」と声が裏返った。こんな街中でお姫様抱っこをされるなんて!

 注目を浴びているのがわかり、恥ずかしくて顔を覆いたくなる。桐人さんはビジュアルがいいから王子様みたいに見えるだろうけれど、私はただの平民なので……!