冷酷社長な旦那様が「君のためなら死ねる」と言い出しました~ヤンデレ御曹司の激重愛~

「大丈夫ですかね……」
「意識が戻ったようだったから、ひとまず安心だろう。手伝ってくれてありがとう」

 桐人さんの表情もほっとしている様子で、私は「よかった」と心からの声をこぼして肩の力を抜いた。

 安堵すると、桐人さんの頼もしさへの感動がじわじわと込み上げてくる。あの状況でも冷静かつ迅速に対処して命を救った彼は、人としてものすごくカッコよかった。

 それに、すべてのコンビニがAEDを設置しているわけではない。あの店舗にあると知っていたことも重要だっただろう。

 人がまばらになって騒然としていた現場が日常に戻っていく中、隣の彼に尊敬の眼差しを向ける。

「桐人さんがいなかったら、こんなにスムーズに救命処置はできなかったと思います。どうしても焦っちゃって」
「俺はAED使い慣れているから」
「あ、そっか!」

 そうだ、シェーレでもAEDを作っているんだった。

 確かに一般の人よりは慣れていそうだけれど、通行人がたくさんいる街中で咄嗟に行動する勇気がなかなか出ない人もいるんじゃないだろうか。