人が倒れる場面になんて初めて遭遇した……心臓がドクドクと鳴っている。
怖さと焦りで酔っていることも忘れ、いつも通り平和なコンビニに勢いよく駆け込む。店員さんは何事かと驚きながらも、AEDの貸し出しを即了承してくれた。
それを持って戻ろうとした時、コンビニにやってきた男性とぶつかりそうになって咄嗟に避ける。段差に気づかず踏み外して転びそうになり、なんとかバランスを取ろうとして足を捻ってしまった。
「いったぁ……! もう、こんな時に」
足をつくたび痛みが走るけれど、それより早く届けなければいけない。片足をかばって急いで現場に戻ると、桐人さんは男性の胸の真ん中を重ねた両手で強く押し、圧迫し続けていた。
彼の隣にしゃがみ、ずっと前に学校で習った使い方を思い返してAEDの蓋を開く。桐人さんは「ありがとう」と言い、慣れた様子でそれをつけるための準備を始めた。
心肺蘇生を始めて二分ほど経った頃、ふいに男性の身体が動き、息を吹き返したように見えた。
直後に救急車が到着し、救急隊員に桐人さんが状況を説明すると、男性を乗せてあっという間に病院へ向かっていく。
救急車が来るまで十分もかかっていないはずだが、ものすごく長く感じた。サイレンを鳴らして去っていくそれを見送り、深く息を吐く。
怖さと焦りで酔っていることも忘れ、いつも通り平和なコンビニに勢いよく駆け込む。店員さんは何事かと驚きながらも、AEDの貸し出しを即了承してくれた。
それを持って戻ろうとした時、コンビニにやってきた男性とぶつかりそうになって咄嗟に避ける。段差に気づかず踏み外して転びそうになり、なんとかバランスを取ろうとして足を捻ってしまった。
「いったぁ……! もう、こんな時に」
足をつくたび痛みが走るけれど、それより早く届けなければいけない。片足をかばって急いで現場に戻ると、桐人さんは男性の胸の真ん中を重ねた両手で強く押し、圧迫し続けていた。
彼の隣にしゃがみ、ずっと前に学校で習った使い方を思い返してAEDの蓋を開く。桐人さんは「ありがとう」と言い、慣れた様子でそれをつけるための準備を始めた。
心肺蘇生を始めて二分ほど経った頃、ふいに男性の身体が動き、息を吹き返したように見えた。
直後に救急車が到着し、救急隊員に桐人さんが状況を説明すると、男性を乗せてあっという間に病院へ向かっていく。
救急車が来るまで十分もかかっていないはずだが、ものすごく長く感じた。サイレンを鳴らして去っていくそれを見送り、深く息を吐く。



