桐人さんにぴったりくっついて歩き、人通りの多い道に出たその時、「きゃっ……!?」という女性の小さな悲鳴とざわめきが聞こえてきてびっくりした。
声がしたほうに目を向けると、騒然とする人々の間から歩道でうつ伏せに倒れている人物が見え、私はひゅっと息を呑む。
「えっ、誰か倒れてる!?」
「まずいな」
眉をひそめて呟いた桐人さんは、躊躇せず人だかりに向かって駆け出した。私も後を追うと、彼は「すみません」と人を掻きわけて倒れている細身の男性のそばにしゃがみ込む。
仰向けにされたその人は四十代後半くらいで、顔色が悪く目を閉じていて意識がなさそうだ。桐人さんが軽く肩を叩き、「大丈夫ですか?」と耳元で大きく声をかけるも、ぐったりとしていてなにも反応がない。
彼は呼吸を確認しながら、そばでスマホを耳に当てている若い女性を一瞥して声をかける。
「救急車は?」
「今、呼んでます!」
その答えに頷いた彼は、心臓マッサージをする姿勢を取りながら、今度は私に指示を出す。
「秋華、すぐそこのコンビニにAEDがある。持ってきてくれるか?」
「わかりました……!」
桐人さんの迅速な対処に目を見張りつつ、私はすぐに走り出した。
声がしたほうに目を向けると、騒然とする人々の間から歩道でうつ伏せに倒れている人物が見え、私はひゅっと息を呑む。
「えっ、誰か倒れてる!?」
「まずいな」
眉をひそめて呟いた桐人さんは、躊躇せず人だかりに向かって駆け出した。私も後を追うと、彼は「すみません」と人を掻きわけて倒れている細身の男性のそばにしゃがみ込む。
仰向けにされたその人は四十代後半くらいで、顔色が悪く目を閉じていて意識がなさそうだ。桐人さんが軽く肩を叩き、「大丈夫ですか?」と耳元で大きく声をかけるも、ぐったりとしていてなにも反応がない。
彼は呼吸を確認しながら、そばでスマホを耳に当てている若い女性を一瞥して声をかける。
「救急車は?」
「今、呼んでます!」
その答えに頷いた彼は、心臓マッサージをする姿勢を取りながら、今度は私に指示を出す。
「秋華、すぐそこのコンビニにAEDがある。持ってきてくれるか?」
「わかりました……!」
桐人さんの迅速な対処に目を見張りつつ、私はすぐに走り出した。



