冷酷社長な旦那様が「君のためなら死ねる」と言い出しました～ヤンデレ御曹司の激重愛～

「この間、秋華が温泉に出かけると話していた時、『私を信じて、待っていてください』と言われて気づいた。君の行動をすべて把握しようとしたり、俺のそばに縛りつけておきたかったりするのは、君を信頼していないことと同義なんじゃないかと」

　桐人さんの言葉に私自身もはっとさせられた。
信頼されていないとは思わなかったし、嫌みを言ったつもりも毛頭ないのだけれど、確かに疑心を抱きすぎると必要以上に干渉してしまったりもするだろう。

　彼は「適度に距離を取るっていう、秋華の提案は正解だったよ」と口角を上げ、残りのビールを喉へ流し込んだ。

　お互いの心が少しずつ釣り合ってきているのを感じながら、私も自分を振り返って正直に打ち明ける。

「私も、桐人さんの妻として相応しい女になりたくて背伸びしてました。自分に自信がなかったから、無理してでも合わせないと愛想を尽かされちゃうかもって不安だったんです。今は、桐人さんの愛はそう簡単に冷めないってわかりましたけど」
「その通りだ」

　自信満々で頷く彼に、ふふっと笑いがこぼれた。こんなに愛してくれる人と一緒になれたのは、やっぱり幸せなことだ。