幸いカウンター席が空いていたのでそこに腰かけ、さっそくビールと焼き鳥の盛り合わせを頼んだ。
私がこのお店を選ぶとは思わなかったのか、桐人さんは終始意外そうな顔で壁にかけられたメニューを見上げている。
「焼き鳥屋も久々だ。安い……」
「でしょう。ここ、最初にお兄ちゃんが連れてきてくれたんですけど、お値段以上なんですよ。こういう綺麗すぎないお店も居心地よくて好きなんです」
話しているうちにすぐビールが出され、控えめに乾杯して口をつけた。続いて手渡された焼き鳥は、弾力があるのに柔らかい鶏肉に甘辛いたれが絡み、香ばしい香りが鼻を抜けてとっても美味しい。
桐人さんも舌鼓を打ちながら、「お店で食べる焼き鳥ってほんと美味しい~」と唸る私を微笑ましげに見ていた。そして、ビールをひと口飲んでグラスを置き、ゆっくりと口を開く。
「……俺はとことん身勝手な男だな。君にいい男だと思われたくて高級な店ばかりに連れていっていたし、余計なプレゼントみたいに愛情を押しつけて自己満足していた」
反省しているような調子で語るので、私は全然嫌なわけではなかったのだと伝えようとするも、彼は話を続ける。
私がこのお店を選ぶとは思わなかったのか、桐人さんは終始意外そうな顔で壁にかけられたメニューを見上げている。
「焼き鳥屋も久々だ。安い……」
「でしょう。ここ、最初にお兄ちゃんが連れてきてくれたんですけど、お値段以上なんですよ。こういう綺麗すぎないお店も居心地よくて好きなんです」
話しているうちにすぐビールが出され、控えめに乾杯して口をつけた。続いて手渡された焼き鳥は、弾力があるのに柔らかい鶏肉に甘辛いたれが絡み、香ばしい香りが鼻を抜けてとっても美味しい。
桐人さんも舌鼓を打ちながら、「お店で食べる焼き鳥ってほんと美味しい~」と唸る私を微笑ましげに見ていた。そして、ビールをひと口飲んでグラスを置き、ゆっくりと口を開く。
「……俺はとことん身勝手な男だな。君にいい男だと思われたくて高級な店ばかりに連れていっていたし、余計なプレゼントみたいに愛情を押しつけて自己満足していた」
反省しているような調子で語るので、私は全然嫌なわけではなかったのだと伝えようとするも、彼は話を続ける。



