「やっぱり面白かった~! 見てよかったですね」
「ああ。最後に使ってたあの器具が実際にあったら、医療はかなり進歩するだろうな。作るか」
「作れるんですか!?」
そんなDIYみたいな調子で言っちゃうのね、と目をしばたたかせる私に、桐人さんは茶化すように口角を上げた。
でもこの超優秀な社長様がいる会社でなら、いつか本当に現実にできるんじゃないかと思えてしまう。
改めてすごい人の隣にいるんだよなと実感していると、彼は腕時計を見て問いかける。
「少し早いが、夕飯はどうする? 秋華が食べたいものがあればそれにしよう」
「あっ、桐人さんを連れていきたいお店があるんです。そこでもいいですか?」
「もちろん。君がすすめるものなら、草でもゲテモノでも」
「行きましょう!」
最後まで言わせずに彼の手を引っ張って歩き出す。たぶん、おそらく冗談……であってほしい。
身体が冷え切る前にやってきたのは、以前兄に連れられて入った焼き鳥屋。路地裏にある隠れ家的なお店で、安くてとっても美味しい焼き鳥が食べられるのだ。
温かみのある明かりが灯る和食屋のような外観で、入り口には暖簾と赤い提灯がぶら下がっている。カラカラと引き戸を開けると炭火のいい香りが漂ってきて、こぢんまりとした店内はサラリーマンらしき人たちで賑わっていた。
「ああ。最後に使ってたあの器具が実際にあったら、医療はかなり進歩するだろうな。作るか」
「作れるんですか!?」
そんなDIYみたいな調子で言っちゃうのね、と目をしばたたかせる私に、桐人さんは茶化すように口角を上げた。
でもこの超優秀な社長様がいる会社でなら、いつか本当に現実にできるんじゃないかと思えてしまう。
改めてすごい人の隣にいるんだよなと実感していると、彼は腕時計を見て問いかける。
「少し早いが、夕飯はどうする? 秋華が食べたいものがあればそれにしよう」
「あっ、桐人さんを連れていきたいお店があるんです。そこでもいいですか?」
「もちろん。君がすすめるものなら、草でもゲテモノでも」
「行きましょう!」
最後まで言わせずに彼の手を引っ張って歩き出す。たぶん、おそらく冗談……であってほしい。
身体が冷え切る前にやってきたのは、以前兄に連れられて入った焼き鳥屋。路地裏にある隠れ家的なお店で、安くてとっても美味しい焼き鳥が食べられるのだ。
温かみのある明かりが灯る和食屋のような外観で、入り口には暖簾と赤い提灯がぶら下がっている。カラカラと引き戸を開けると炭火のいい香りが漂ってきて、こぢんまりとした店内はサラリーマンらしき人たちで賑わっていた。



