桐人さんもジャケットを羽織ったモノトーンコーデで、当然ながらとってもカッコいい。
デート仕様の彼を見るのも久々なので、顔を合わせた瞬間から見惚れていると、私を見つめる彼の口からも自然な調子で「すごく可愛い」とこぼれて嬉しくなった。
今日はお互いに気になっていた映画を見に行く。なんだか新鮮な気持ちで玄関を出た直後、足を止めた桐人さんがやや遠慮がちに問いかける。
「手は繋いでいいのか?」
距離感はこれでいいのだろうかと、探り探りなのがわかる。キスは毎日しているのに、手を繋ぐ許可を求める彼がおかしくて、私は「もちろん」と笑って自分から指を絡めた。
手を繋いで歩くだけで、軽やかに胸が弾む。付き合いたての恋人同士みたいな感覚を味わいながらエレベーターに乗り込むと、桐人さんがふいに口を開く。
「昨日、なかなか寝つけなかった。今日が楽しみで」
「えっ」
「学生みたいで笑えるだろう。君と出かけるのが久しぶりだからって、年甲斐もなく浮かれて」
苦笑を漏らす彼の横顔は、ちょっぴり気恥ずかしそう。こんな桐人さんの表情はレアで、胸がきゅーんと締めつけられた。
デート仕様の彼を見るのも久々なので、顔を合わせた瞬間から見惚れていると、私を見つめる彼の口からも自然な調子で「すごく可愛い」とこぼれて嬉しくなった。
今日はお互いに気になっていた映画を見に行く。なんだか新鮮な気持ちで玄関を出た直後、足を止めた桐人さんがやや遠慮がちに問いかける。
「手は繋いでいいのか?」
距離感はこれでいいのだろうかと、探り探りなのがわかる。キスは毎日しているのに、手を繋ぐ許可を求める彼がおかしくて、私は「もちろん」と笑って自分から指を絡めた。
手を繋いで歩くだけで、軽やかに胸が弾む。付き合いたての恋人同士みたいな感覚を味わいながらエレベーターに乗り込むと、桐人さんがふいに口を開く。
「昨日、なかなか寝つけなかった。今日が楽しみで」
「えっ」
「学生みたいで笑えるだろう。君と出かけるのが久しぶりだからって、年甲斐もなく浮かれて」
苦笑を漏らす彼の横顔は、ちょっぴり気恥ずかしそう。こんな桐人さんの表情はレアで、胸がきゅーんと締めつけられた。



