「ひぃっ……!」
うしろにいた一人の男子が腰を抜かし、そのままズルズルと後退する。
そして、いつの間にか彼の背後に立っていた男子のすらりと伸びた二本の足に背中がトンッとぶつかると、おそるおそるその人物を見上げ、そのまま固まった。
「まさか本気でここから逃げられるとでも思っているのか?」
「グッドタイミング、蒼真♪」
「『5分以内にここへ行け』なんてアバウトな指令を地図と一緒に送ってくるな」
「でも、ちゃんと来てくれたじゃん。さっすが蒼真」
うれしそうにお兄様がそう言うと、蒼真さんが深いため息を吐く。
と、そのとき。
「クソッ……このまま終わってたまるかよーーーーっ!!!!」
金沢さんの背後にいたもう一人が、わたし目がけて突っ込んでくる。
突然のことに、身じろぎひとつできない。
だけど——。
「うがっ!」
わたしに手が届くずっと手前で、蒼真さんの回し蹴りが男子の後頭部にキレイに入り、顔面から地面に着地した。
「ひゅ~。蒼真、なかなかやるじゃん。っていうか、いいの? これじゃ正当防衛にならないんじゃない?」
「足が滑っただけだ。なにか問題か?」
「いや、いーんじゃね?」
淡々と言う蒼真さんに向かって、お兄様がニヤリとする。
うしろにいた一人の男子が腰を抜かし、そのままズルズルと後退する。
そして、いつの間にか彼の背後に立っていた男子のすらりと伸びた二本の足に背中がトンッとぶつかると、おそるおそるその人物を見上げ、そのまま固まった。
「まさか本気でここから逃げられるとでも思っているのか?」
「グッドタイミング、蒼真♪」
「『5分以内にここへ行け』なんてアバウトな指令を地図と一緒に送ってくるな」
「でも、ちゃんと来てくれたじゃん。さっすが蒼真」
うれしそうにお兄様がそう言うと、蒼真さんが深いため息を吐く。
と、そのとき。
「クソッ……このまま終わってたまるかよーーーーっ!!!!」
金沢さんの背後にいたもう一人が、わたし目がけて突っ込んでくる。
突然のことに、身じろぎひとつできない。
だけど——。
「うがっ!」
わたしに手が届くずっと手前で、蒼真さんの回し蹴りが男子の後頭部にキレイに入り、顔面から地面に着地した。
「ひゅ~。蒼真、なかなかやるじゃん。っていうか、いいの? これじゃ正当防衛にならないんじゃない?」
「足が滑っただけだ。なにか問題か?」
「いや、いーんじゃね?」
淡々と言う蒼真さんに向かって、お兄様がニヤリとする。



