学園最強の兄は妹を溺愛する

「あのさあ、それ以外になくない?」

「俺らだってさあ、いつまでもアイツの下にいるつもりなんかないっつーの」

「みんなてっぺん目指してここ来てんだよ。まあ、普通のやり方じゃ勝てねえからさあ、トップ引きずり下ろすために、とりあえずこいつらと手を組んだってこと」


「……ヒドイ」


「ちょっと、ちょっと。あんた、お兄様の心配なんかしてないで、自分の心配したら?」

「間違いない」


「……ほんっとさあ。こーいうめんどいことに巻き込まないでほしいんだけど」

 そんな気だるい声と同時に、路地を塞ぐようにして立っていた男子が「ぐはっ!」と声を上げて横にふっ飛んだ。


「な、なにしに来やがった、金沢!」

「あんたらさあ、こんなことバレたら、ガチでコロされるぞ、あの人に。そんなこともわからないくらいバカなの?」

「巻き込むなっつったのおまえだろ。だったらこんなとこまで来んじゃねーよ」

「だからさあ、こんな面倒なことすんじゃねーって言ってんだよ」

「か、金沢さん、うしろ!」


 金沢さんに蹴り飛ばされて地面に倒れていた男子が、そのへんに落ちていた棒状のなにかを手に起き上がると、それをおもいっきり振り上げ、金沢さん目がけて振り下ろした。