学園最強の兄は妹を溺愛する

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「あの……ここは、なにをして遊ぶところなのですか?」


 この前お兄様たちと一緒に行ったホテルのティーラウンジのような華やかな場所とは真逆の場所。

 殺風景なコンクリート造りの雑居ビルの間の細い路地を通り抜けた先にある、薄暗くて小さな空き地だ。

 空き地の奥にはオレンジと黒のガードフェンスが置かれていて、その向こう側には崩れかけた廃墟ビルが見える。


「えーっ、それ聞いちゃう? そんなんさあ、いーことしかなくない?」

 そう言いながら、ニヤついた笑みを浮かべる。


 そこではじめてわたしは自分の愚かさに気がついた。


「莉乃さんは……来ませんよね? あなたたち、わたしにウソを言ったのですね?」

 あまりの恐怖に、声が震える。


「あー、さすがに気づいちゃったかー」

 そう言いながら、わたしに一歩近づき、わたしは逆にじりっと一歩後ずさりする。


「いやいや、ここまで来て帰すわけないっしょ」

 一人がわたしの退路を塞ぐように、先ほど通ってきた路地の前に立つ。


「アイツ、彩智ちゃんになんかあったって知ったら、どんな顔するんだろうねえ。ぶっ壊れたみてーに、ぎゃーぎゃー泣き喚くんじゃねーの?」

「マジ見てみてー」

 三人がお腹を抱えて笑い出す。


「……お兄様に勝つため、ですか?」