学園最強の兄は妹を溺愛する

 正直、今みたいに男性に取り囲まれているだけで、体が小刻みに震える。
 

 でも、このままではいつまでもわたしが自立できなくて、お兄様にご迷惑をかけてしまいますよね。

 それに、蒼真さんにも……。


 わたし、蒼真さんの重荷にだけはなりたくない。


 みなさん同じクラスの方たちだし、もっとみなさんと仲よくなれば、男性への恐怖心も克服できるかもしれない。


「わ、わかりました。本日は、みなさんとご一緒させていただきます!」

 意を決してわたしがそう返事すると、「そう来なくっちゃ!」と三人が沸き立つ。


「おっ、金沢じゃん。おまえも一緒にどう? 今から彩智ちゃんといーことしにいくんだけど♪」

「は? ……面倒くせーことに巻き込もうとすんな」

 金沢さんが、イヤなものでも見るかのように、おもいっきり顔をしかめる。


「は? せっかく誘ってやったのに、なんだよその態度。別にいいならいーよ」

 そう言うと、しっしっと金沢さんを追い払うように手を振る。


「そんじゃ俺たちだけで行こっか、彩智ちゃん♪」