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今日、莉乃さんは体調不良でお休み。
いつもは教室で莉乃さんと一緒にお弁当を食べているのだけど、せっかくだからと、わたしはお弁当箱を持って教室を出た。
そう。ついにアレを実行に移すチャンスがやって来たの!
思わずスキップしそうになるのを必死に堪え、屋上へと続く階段の下までやって来ると、ドキドキしながら階段の上を見上げた。
重そうな扉の向こうには、いったいどんなステキな景色が待っているのでしょう!
高鳴る胸をおさえ、一段一段ゆっくりと上っていくと、金属製の扉のドアノブに手をかける。
そのままぐいっと押し開けると、目の前に広がる真っ青な空! ——を眺める先客が、柵にもたれかかるようにして屋上の縁に立っていた。
屋上を吹き抜ける一陣の風が、その人の長くてキレイな金髪をもてあそぶ。
「——キレイ」
「は?」
思わず漏れたわたしの声に反応して、その人影が鬼の形相でこちらを振り向いた。
「か、金沢さんっ。いえ、これはそのっ……空の青と、金沢さんのその金髪のコントラストがキレイだなぁ~って思っただけでして」
この前金沢さんに締め上げられ、真っ青になっていった男子生徒の姿を思い出しそうになり、ぶるぶると頭を左右に振って、その記憶を遠くに追いやる。
今日、莉乃さんは体調不良でお休み。
いつもは教室で莉乃さんと一緒にお弁当を食べているのだけど、せっかくだからと、わたしはお弁当箱を持って教室を出た。
そう。ついにアレを実行に移すチャンスがやって来たの!
思わずスキップしそうになるのを必死に堪え、屋上へと続く階段の下までやって来ると、ドキドキしながら階段の上を見上げた。
重そうな扉の向こうには、いったいどんなステキな景色が待っているのでしょう!
高鳴る胸をおさえ、一段一段ゆっくりと上っていくと、金属製の扉のドアノブに手をかける。
そのままぐいっと押し開けると、目の前に広がる真っ青な空! ——を眺める先客が、柵にもたれかかるようにして屋上の縁に立っていた。
屋上を吹き抜ける一陣の風が、その人の長くてキレイな金髪をもてあそぶ。
「——キレイ」
「は?」
思わず漏れたわたしの声に反応して、その人影が鬼の形相でこちらを振り向いた。
「か、金沢さんっ。いえ、これはそのっ……空の青と、金沢さんのその金髪のコントラストがキレイだなぁ~って思っただけでして」
この前金沢さんに締め上げられ、真っ青になっていった男子生徒の姿を思い出しそうになり、ぶるぶると頭を左右に振って、その記憶を遠くに追いやる。



