それでもわたし……。
「お兄様。わたしは、この学園に入学したのが間違いだったとは思いませんよ。新しいお友だちもできましたし、なによりお兄様もいらっしゃるんですもの」
わたしがそう言うと、お兄様はいとおしげな表情を浮かべてわたしを見る。
「さっきは少し取り乱してしまいましたが……でも、わたしは大丈夫です」
わたしだって、本当はもっと強くなりたい。
お兄様に守ってもらうばかりではなく、ちゃんとお兄様のことも守れるようになりたいの。
「……そうだな。アイツらにはちゃんと言い聞かせておいたし。もう彩智はなにも心配する必要はない」
わたしの顔をしばらくの間黙って見つめていたお兄様が、自分に言い聞かせるようにして言う。
「けど、もしまたなにかあったら、すぐ俺に報告するんだよ。わかったね、彩智」
——お兄様はそう言っていたけれど、あまりにタイミング良く教室に現れたお兄様に、教室内に盗聴器か監視カメラでも仕掛けられているんじゃないかと、その後一時期ウワサになった。
「あの兄貴ならやりかねないわー」なんて莉乃さんまでつぶやいていた。
「お兄様。わたしは、この学園に入学したのが間違いだったとは思いませんよ。新しいお友だちもできましたし、なによりお兄様もいらっしゃるんですもの」
わたしがそう言うと、お兄様はいとおしげな表情を浮かべてわたしを見る。
「さっきは少し取り乱してしまいましたが……でも、わたしは大丈夫です」
わたしだって、本当はもっと強くなりたい。
お兄様に守ってもらうばかりではなく、ちゃんとお兄様のことも守れるようになりたいの。
「……そうだな。アイツらにはちゃんと言い聞かせておいたし。もう彩智はなにも心配する必要はない」
わたしの顔をしばらくの間黙って見つめていたお兄様が、自分に言い聞かせるようにして言う。
「けど、もしまたなにかあったら、すぐ俺に報告するんだよ。わかったね、彩智」
——お兄様はそう言っていたけれど、あまりにタイミング良く教室に現れたお兄様に、教室内に盗聴器か監視カメラでも仕掛けられているんじゃないかと、その後一時期ウワサになった。
「あの兄貴ならやりかねないわー」なんて莉乃さんまでつぶやいていた。



