大嫌いな王子様 ー後編ー


友達との旅行ってこんな感じなんだな。
楽しい、嬉しいがたくさん感じれる。


そして、その中に愛しい人がいる喜び。


あー、いおに触りたい。


いおの奴、俺よりずっとみっちゃんたちといやがって。
っていうか、佐伯との方がじゃれてないか?
いや、和希ともよく喋ってるよな?


え、俺は??



晩飯食べた後、部屋に戻る前にいおをこっそり廊下に呼んだ。


「どしたの?」

なんで、そんな普通なんだよ。
俺だけ?こんなに触れたくて、なによりふたりきりになりたいのは。



さらっ
いおの髪に触れる。


「あき…」

「いお…」

ゆっくり顔を近づける。


バチンッ

へ…なんだ?右の頬がジンジンする。


「みんな来るかもだよ!キスなんてダメ!」

まさかのおあずけ。
というか、暴力も受けてます。


「関係ねぇじゃん」

俺は懲りずにもう一度キスを試みる。

「大アリだし!!暁斗くん、しつこい!」


しつこい・・・

いおは怒りながら部屋に向かった。


ーーーーーーーーーーー

お風呂(温泉)上がり 部屋にて


「暁兄〜なにボーッとしてんの?ちょっと暗くない?」

「あー…そうか?」

「いや、心ここに在らずになってるし!皆実〜??意識あるか〜??」


風呂上がりにいおたちに会えて声かけたら、俺とは目合わせてくれなかった。

怒らせてる!!!!


なんだよ、、結局好きなのは俺だけかよ。


ひそっ
「佐伯、暁兄なんとかしてよ」
「どうせ伊織関係だろ。めんどくせーし、部屋行くか」


「おい皆実。女子と合流してトランプとかしようぜ」

「え、でも…」

いおが嫌がるかも、、、


「なら、俺が伊織に連絡するぞ」

なっ!!

「は?俺がするから佐伯はすんな」


自分でも思う。ガキだなって。


出てくれないと思ったけど、出てくれた。

なんかわかんねぇけど、緊張して10分後とか言ってしまった。


あとでちゃんと謝るか。
電話に出てくれたのが嬉しくて、そんな俺はいおに勝手に振り回されてる。


「〜♪」


ひそっ
「鼻歌、歌い出したぞ。仲直りしたか?」

「世話が焼ける兄でごめんね」


俺様のくせに伊織に関してはこれだもんな、暁兄は。