大嫌いな王子様 ー後編ー

とある日の学校帰り。


「このまま百貨店寄ってくれるか?」

「かしこまりました。なにかお買い物などでしょうか?」

「まぁな」



少し離れたところで暁斗坊っちゃまを見守る。
ジュエリーを見られているということは…伊織様へのお誕生日プレゼントでございますね。


坊っちゃまはとても慎重な方。
そして真面目故に、大切な方へのプレゼントなどはとても時間をかけてらっしゃいます。



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「10月の誕生石ですと、こちらのトルマリンになります」

「この石を使ったデザイン、全部見せてください」


制服ってことは…高校生かしら?

うちのブランドのもの、買えるの??
(顔はものすごくカッコいいんだけど)



・・・・・

しかもかなり悩む!!
買う気あるのか?



「どなたかへのプレゼントでしょうか?」

「えぇ…彼女への」


そりゃ、こんなけのイケメンなら彼女ぐらいいるわな。



「彼女さん、どんな雰囲気の方ですか?ふわっとしたイメージや、大人っぽいイメージなどでデザインも変わりますよね」


すると、イケメンがものすごく可愛く笑って

「すげー可愛い奴です…」

と言った。



はいはい。
ラブラブなんだね。



そこからもしばらく悩み、決まったのは1時間後。


お会計に出されたのは、、、
ブラックカード!!!!!


何者なの、この高校生は!?


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「坊っちゃま、お気に召した物はございましたか?」

「あぁ」

「伊織様もお喜びでしょうね」

「は!?いおにやるとは言ってねぇし!」


顔を真っ赤にして照れてる坊っちゃま。

伊織様と出会ってからの暁斗坊っちゃまは、本当に色んな表情を見せてくれるようになりました。


「大変失礼いたしました」


「帰るぞ」


ところで…
伊織様の誕生日は1ヶ月半後ですね。

どうかバレないよう隠してくださいね、坊っちゃま。