「とにかく大丈夫だよ。話してくるね。その前に朝ご飯食べよう!!」
朝ご飯をいつもよりお腹いっぱいになるぐらい食べた。
これからの暁おととの闘いのために。
「いお…食い過ぎじゃね?」
「そうだね…伊織、大丈夫?」
「え?全然大丈夫だよ!まだ食べたいぐらい!」
体力つけなきゃ!(体力いるか?ってちょっと疑問だけど)
ガタッ
「じゃあ行ってきます」
「いお、やっぱ俺も…!」
「暁斗くんはここにいて。お願いします」
強引にでもついてこようとする暁斗くんを止めて、私は飯田さんと暁おとの部屋に向かった。
コンコンコンッ
「お連れしました」
「入れ」
あれ…やっぱ緊張してるのかな。
ちょっと呼吸がしづらい。
ドアが開くと窓際にある机がすぐ目に入った。
なんだかちょっと暁斗くんの部屋に似てる気がする。
その机の椅子に座っている暁おと。
「飯田ありがとう。下がれ」
「かしこまりました」
飯田さんが出て行き、暁おととふたりきり。
グッと拳を握る。
「座りなさい」
「…はい」
大きなソファ。
そこにゆっくり腰かけた。
「きみに話すべきか…さっきまで悩んでいた」
「え…?」
暁おともこっちにやってきて、向かいのソファに座った。
「だが、やはり話しておきたい。きみが暁斗と真剣なら」
「前も言いましたが真剣です」
何の話だろ。。。
緊張する。
「即答か。なら構わんな」
どんなこと言われたって負けないんだから。
「昨日私の父さんと話してどう思った?皆実家をどう感じた?」
え、、いきなり質問。。
「えっと…」
「素直な気持ちを言いなさい」
素直な気持ち。。
「まだ深くはなにもわからないんですが…暁斗くんや和希くんをなんでこんなに苦しめるのって思いました。なんで自分の思い通りにしようとするのって。暁斗くんたちの人生は暁斗くんたちが自分で選ぶものだと思うんです」
わー。
私偉そうになにを言ってんだか。
これは明らか追放だな。
だけどちゃんと言うんだ。
「お父さんも…なんで我が子をこんなに思い通りにしようとするんだろうって思って最低な父親だと思いました。だけど…」
「だけど?」
「この前会社でお話ししてから…暁お、いやお父さんの印象が変わって…」
「私の印象?どう変わったんだ?私はきみの言う様な我が子にも冷たい人間だぞ」
「そんなことないです。そんな人は昨日私をお祖父さんから助けないし、会社でも昨日もあんな優しい顔はしません。どうして暁斗くんたちにあんな風に接するんですか?それがどうしてもわからなくて…」
少しの沈黙が続く。
「ははは!」
いきなり暁おとが笑いだした。
「きみはやっぱり咲に似ている。暁斗は私に似て見る目があるということか」
「は…い??」
「まぁ咲とは見た目は全く似てないが」
「それ前も聞きましたから」
「ははは!そうだったな」
暁おとがこんなに笑うなんて。
なんか…私、嬉しくなっちゃってる。
「きみが咲に似ているからこそ…私はもうきみたちに私たちが受けた苦しみや辛いことを味わわせたくないんだ」
「お父さんたちが受けた…?苦しみ??」
「少し長くなるが聞いてくれるか」
「はい。もちろんです」
ーーーーーーーーーーー
「私が幼い頃からウチは厳しかった。父さんの言うことが絶対で、私は1人息子ということもあり会社の後継ぎのための勉強などに必死だった」
今の暁斗くんと一緒…。
「友人と呼べる人もいなかった。学校と家の往復。冷めた家の中、それに親族。もう飽き飽きしていた」
どんな言葉をかけたらいいのか…わからない。
「そんな時…中3の春に咲に出会った。私が落としたハンカチを拾ってくれてね。同い年だったんだが、咲はごく普通の家庭の子ですぐに私の親に反対をされた。それでも私たちは自分たちの気持ちを貫いて結婚をした」
「そうだったんですね…」
暁おとの言いたいことが少しずつ見えてきた気がするのは気のせいなのかな。
それとも、私がおこがましいのかな。
「父さんや親族は家柄重視で咲は冷遇を受けていた。そんな身内や待遇を払いのけるため私は仕事に勤しんだ。仕事で認められれば全てを変えれると思ってたんだ」
少し沈黙が続いた。
「…だがそんな甘くはなくてね。結局父さんたちの期待に応えるのに必死で咲や子どもたちのことを蔑ろにしていた。気づけば暁斗に私がされてきたことを強要し、和希にもさせようとしていた」
今聞いている話は全部今の暁斗くんに当てはまること。
「バカだろう?あれだけ自分が苦しんだのに我が子に同じことを自分がしてるんだ。そんな自分にも嫌気がさしてね。だがそれに反抗しようとすると…父さんが黙ってはいなかった。暁斗たちを自由にしようとすると、そのせいで暁斗たちや咲が苦しめられることになった」
あぁ、暁おともすごく苦しんでたんだ。
朝ご飯をいつもよりお腹いっぱいになるぐらい食べた。
これからの暁おととの闘いのために。
「いお…食い過ぎじゃね?」
「そうだね…伊織、大丈夫?」
「え?全然大丈夫だよ!まだ食べたいぐらい!」
体力つけなきゃ!(体力いるか?ってちょっと疑問だけど)
ガタッ
「じゃあ行ってきます」
「いお、やっぱ俺も…!」
「暁斗くんはここにいて。お願いします」
強引にでもついてこようとする暁斗くんを止めて、私は飯田さんと暁おとの部屋に向かった。
コンコンコンッ
「お連れしました」
「入れ」
あれ…やっぱ緊張してるのかな。
ちょっと呼吸がしづらい。
ドアが開くと窓際にある机がすぐ目に入った。
なんだかちょっと暁斗くんの部屋に似てる気がする。
その机の椅子に座っている暁おと。
「飯田ありがとう。下がれ」
「かしこまりました」
飯田さんが出て行き、暁おととふたりきり。
グッと拳を握る。
「座りなさい」
「…はい」
大きなソファ。
そこにゆっくり腰かけた。
「きみに話すべきか…さっきまで悩んでいた」
「え…?」
暁おともこっちにやってきて、向かいのソファに座った。
「だが、やはり話しておきたい。きみが暁斗と真剣なら」
「前も言いましたが真剣です」
何の話だろ。。。
緊張する。
「即答か。なら構わんな」
どんなこと言われたって負けないんだから。
「昨日私の父さんと話してどう思った?皆実家をどう感じた?」
え、、いきなり質問。。
「えっと…」
「素直な気持ちを言いなさい」
素直な気持ち。。
「まだ深くはなにもわからないんですが…暁斗くんや和希くんをなんでこんなに苦しめるのって思いました。なんで自分の思い通りにしようとするのって。暁斗くんたちの人生は暁斗くんたちが自分で選ぶものだと思うんです」
わー。
私偉そうになにを言ってんだか。
これは明らか追放だな。
だけどちゃんと言うんだ。
「お父さんも…なんで我が子をこんなに思い通りにしようとするんだろうって思って最低な父親だと思いました。だけど…」
「だけど?」
「この前会社でお話ししてから…暁お、いやお父さんの印象が変わって…」
「私の印象?どう変わったんだ?私はきみの言う様な我が子にも冷たい人間だぞ」
「そんなことないです。そんな人は昨日私をお祖父さんから助けないし、会社でも昨日もあんな優しい顔はしません。どうして暁斗くんたちにあんな風に接するんですか?それがどうしてもわからなくて…」
少しの沈黙が続く。
「ははは!」
いきなり暁おとが笑いだした。
「きみはやっぱり咲に似ている。暁斗は私に似て見る目があるということか」
「は…い??」
「まぁ咲とは見た目は全く似てないが」
「それ前も聞きましたから」
「ははは!そうだったな」
暁おとがこんなに笑うなんて。
なんか…私、嬉しくなっちゃってる。
「きみが咲に似ているからこそ…私はもうきみたちに私たちが受けた苦しみや辛いことを味わわせたくないんだ」
「お父さんたちが受けた…?苦しみ??」
「少し長くなるが聞いてくれるか」
「はい。もちろんです」
ーーーーーーーーーーー
「私が幼い頃からウチは厳しかった。父さんの言うことが絶対で、私は1人息子ということもあり会社の後継ぎのための勉強などに必死だった」
今の暁斗くんと一緒…。
「友人と呼べる人もいなかった。学校と家の往復。冷めた家の中、それに親族。もう飽き飽きしていた」
どんな言葉をかけたらいいのか…わからない。
「そんな時…中3の春に咲に出会った。私が落としたハンカチを拾ってくれてね。同い年だったんだが、咲はごく普通の家庭の子ですぐに私の親に反対をされた。それでも私たちは自分たちの気持ちを貫いて結婚をした」
「そうだったんですね…」
暁おとの言いたいことが少しずつ見えてきた気がするのは気のせいなのかな。
それとも、私がおこがましいのかな。
「父さんや親族は家柄重視で咲は冷遇を受けていた。そんな身内や待遇を払いのけるため私は仕事に勤しんだ。仕事で認められれば全てを変えれると思ってたんだ」
少し沈黙が続いた。
「…だがそんな甘くはなくてね。結局父さんたちの期待に応えるのに必死で咲や子どもたちのことを蔑ろにしていた。気づけば暁斗に私がされてきたことを強要し、和希にもさせようとしていた」
今聞いている話は全部今の暁斗くんに当てはまること。
「バカだろう?あれだけ自分が苦しんだのに我が子に同じことを自分がしてるんだ。そんな自分にも嫌気がさしてね。だがそれに反抗しようとすると…父さんが黙ってはいなかった。暁斗たちを自由にしようとすると、そのせいで暁斗たちや咲が苦しめられることになった」
あぁ、暁おともすごく苦しんでたんだ。



