大嫌いな王子様 ー後編ー


今日はクリスマス。


「なんでー!!伊織に会いに行きたいのにー!!!」

「いけません、和希坊っちゃま。家庭教師が来ます」

「昨日も来たじゃん!」

「明日も来ます」


はぁ!!??
こうなったら…逃げ出すしかない。


飯田さんの目を盗み、部屋からなんとか脱出。
あと10歩ほどで玄関というところで…


「和希坊っちゃま、どちらへ?」

飯田さんに捕まった。



「坊っちゃま、今回の期末もなかなかの点数でしたよね?いくらエスカレーター式とはいえ、進学試験が危険でございます」


問答無用で部屋に連れ戻される。



「伊織に会ったら頑張れる」

「どーぞ」


伊織の写真を出された。


「こういう意味じゃ…!」

でも、写真の伊織…可愛い。


「こちらのお写真は暁斗坊っちゃまはお持ちではございません。というか、知りません」


なんと!!??

「ほんと…か?」

「はい」


俺はそっと引き出しにしまった。


「これに免じて…今日は暁兄たちの邪魔せず勉強するよ」



ほんと、俺って単純だな。