大嫌いな王子様 ー後編ー


少し歩いて気づく。


ハッ!!!!

暁斗くんと連絡取れないことに必死で、どこ行くかとかなにも考えてなかった!!!


どうしよう…

「おい、クリスマスまでキモイ顔すんな」

「………」


帰ったろかな。
誕生日も思ったけど、クリスマスにキモイって彼氏に言われる人が全国でどれぐらいいるのか知りたい、今すぐに。


「また勝手に悩んでんだろ?この百面相」

眩しいぐらいの笑顔を向けてくる俺様キモ野郎。
この笑顔でチャラにしてしまう私も私。



しばらく歩いてたどり着いた場所。

「ここ…」

去年も連れてきてもらったイルミネーション。



「綺麗。今年はオレンジがモチーフなのかな??」

「ベタかもだけど」

「え?」

暁斗くんの私の手を握る力が強くなった。


「同じ場所に毎年一緒に来れるってすげー嬉しいことだなって思ってさ」


ドキンッ


「俺はいおとこれからもこの景色が見たい」


もう、最高のクリスマスプレゼント過ぎるよ。



ぎゅう!!!

人目を気にせず抱きついてしまった。


「来年もその先もずーっと見ようね!!絶対だよ!!」

「楽勝♪」


なにこれ、幸せ過ぎて怖い。




ーーーーーーーーーーー


ん?

イルミネーションを見た後、夜ご飯を食べようとやってきたのは超高級ホテル。

「え!?暁斗くん!こんなところのお店絶対高いじゃんか!」

私の話など聞かずにフロントに向かう暁斗くん。



ん??

なにやらカードをもらっている。


エレベーターに乗って結構上の階まで行く。
はい?21階??



ん???

たどり着いたのはお店ではなく、すごく広い部屋。



「な、なんですかここは!?」

「スイートだけど」

「はぁ!!??スイート!?」


スイートってドラマとかで聞いたことある、あのスイートルームっていうやつ!?


「なな…なんでスイート!?絶対高いよね!?てか、なんでホテル!?部屋!?」

「うるさい。質問多過ぎて答えらんねぇよ。ひとつにしろ」


ひとつ・・・


「…なんでここに来たの?」


ドキドキがうるさい。
私、なに考えてんの。

だけど、一昨日のことが頭をよぎって…
暁斗くん、やっぱりしたい…のかな?

そりゃそうだよね。
付き合ってたら普通は…



ペチッ
おでこをはたかれた。


「お前、なんかやらしいこと考えてんだろ?」

自分の顔が赤くなるのがわかる。

「そんなわけないじゃないですか!!」

「あっそ」


むっちゃ普通やん…


「今日何時にいおの仕事終わるかわかんなかったから店予約出来なかったんだよ。ここならルームサービスでゆっくり食えるだろ」


ホッ・・・
あ、なんだ。そういうことか。


「あからさまにホッとすんな」

「え!!いやえっと私は…!!」

「はは!うそうそ。腹減ったしなに食うか決めようぜ」