「これが学祭……」
うちの学校とはレベルが違い過ぎて…
装飾も豪華で、なんか出店?的なものもフランス料理とかあるんだけど…
なんか、、次元が違い過ぎて怖い!!
「伊織…私ら場違いじゃないよね?」
みっちゃんすら、なんだか心配している。
ことの発端は、スマホをずっと暁斗くんに甘えたままになってたから契約を変えるための連絡をした時だった。
(回想)
「暁斗くん、スマホもやっぱり自分で契約したくて」
「何度も言わせんな。それはそのまま持ってろ」
うーん…申し訳ないんだよなぁ。。
「んなことより、お前来週の土曜日バイトか?」
「えっとね…あ!土曜日は休みだよ。日曜日はあるけど」
「なら、俺の学校の学祭に来い」
へ???
(回想終了)
だいたい、いつも急なんだよね。
バイトだったらどうするんだったんだろう。
いや…「あっそ」で終わってそうだな。
この前飯田さんにもらった入場チケットを入り口で渡す。
「おぉー!伊織じゃん!来てくれてよかったー!」
佐伯くんからのハグ。
佐伯くんと言い、和希くんと言いスキンシップがみんなハグなのが謎だ。
「俺が伊織誘うって皆実に言ったら、俺が誘うからダメってキレられてさぁ」
え、そうなの?
「テメェ…余計なこと言うわ、いおに触るわ…殺されてぇんだな?」
「うぇ″っ!ギブギブ!!」
暁斗くんに後ろから首に腕を回されて苦しそうな佐伯くん。
わっ早速暁斗くんに会えた。
暁斗くんと佐伯くん、前よりすごく仲良くなっているように見える……。
なんかすごく嬉しいな。
「なにニタニタ笑ってんだ。キモイぞ」
・・・・
相変わらずだな。
ひそっ
「あとで案内してやる。それまでいい子で楽しむんだぞ」
いきなり耳元で囁くように言うからドキッとする。
「いい子って…子どもじゃないもん!」
「はは!十分子どもだろ」
もう、、破壊力抜群の笑顔なんだから…!
「じゃああとで。みっちゃんも楽しんで」
暁斗くんと佐伯くんが校内へ戻っていく。
「あ!これ渡すの忘れてた」
佐伯くんが戻ってきてメモのようなものを渡してきた。
「皆実には絶対言うな…って言われたけど。こっそり来て♪」
佐伯くんが行ってから、みっちゃんとメモを見る。
【10:30〜2-C組 執事喫茶】
執事!!??
これはなに!!??
「さっきの子と御曹司くんってC組なの?」
「うん、そうのはず…」
「じゃあ執事するんじゃない!?絶対行かなきゃ!!」
うん、行きたい
行きたい
行きたい
行きたい
暁斗くんがもしかして…執事……!!??
「伊織…鼻血出てる」
「ふぇっ!?」
「妄想し過ぎ」
まずは鼻血を止めなくてはいけない。
10:20
すでにC組には行列が出来ていた。
「皆実様の執事姿…早く見たいー!」
「皆実くん、絶対かっこいいよね!」
わぁ〜暁斗くん狙い多いなぁ〜・・・
「皆実くん、最近すごく話しやすくなったよね。昨日、準備の手伝いしてたら笑ってくれたのー」
前に並んでる子たちの会話…
聞く気ないのに…でも耳に入ってくる。
モヤ…
うわ、この気持ち。まただ…
「伊織、ヤキモチ妬かないの♪顔に出てるよ」
「え!?」
みっちゃんに言われて慌てて顔を触る。
「変な顔してた!?」
「私の彼氏になに言ってんの?って顔してた」
「うそー…私厚かましい」
「なに言ってんの?当たり前じゃん」
ブンブンブンッ
頭を振ってヤキモチや煩悩を払いのける。
「あ、やっぱり伊織いた〜」
「和希くん!」



