「俺に集中しろ」
そう。
きっと、こんな夢のような非現実的な空間を過ごせるのはこれが最後。
「はい」
なら、精一杯楽しまなきゃ損だよね。
「俺と踊ってくれますか?」
ほら、こんならしくないこと言っちゃってさ。
「よろしくお願いします」
王子様に手を差し出す。
結局、暁斗くんがなんでダンスパーティーに出たかったのか理由はわからないまま。
商品が欲しい?
思い出作り?
でも、もうどんな理由でもいいや。
暁斗くんが過ごしたいその“時間”に、私が一緒にいれることが私にとって幸せだから。
だから、精一杯楽しんで精一杯暁斗くんの役に立てるように頑張るんだ。
思いっきり踊ってやる。
・・・・・・・・・・・・
「仕方ねーよ」
意気込みも虚しく、なんと…第2ステージで敗退となった。
一昨年より成績悪いってどゆこと?
私が思いっきり足挫いてこけたから…!!!!!!
わーーーんっ!!
暁斗くん、ごめんなさい!!!!!
「いお、ちょっと来い」
「わっ」
半べその私の腕を掴んで講堂から出て、しばらく歩く暁斗くん。
あ…
なんだか見覚えがある……
一昨年連れてきてもらったバルコニーに着いた。
「これ着て」
そして前のように上着を羽織らせてくれる。
あの頃の気持ちが蘇る。
私、もうあの時はすでに暁斗くんが好きだったんだ。
「懐かしいね」
「覚えてたんだ」
「当たり前だよ」
ねぇ暁斗くん
「ごめんね…私のせいで……優勝出来なくて」
暁斗くんが自分から希望するぐらい出たかったダンスパーティーなのに。
悔しい、、、自分が悔しい!!
じわっと涙が出てきた。
「は?なんで謝ってんの?てか、優勝とかいいし」
「だってー…暁斗くん、自分で出場希望したでしょ!?優勝賞品欲しかったんじゃ…」
パシッ
腕を掴まれた。
「あのな、俺はそんなもん欲しかったんじゃない!」
なんだか、暁斗くんの表情が少し照れたような、でも悔しそうに見える私の視力はまた衰えているのだろうか。
「俺が悪かったよ。また無理矢理付き合わせて。練習もしんどかったろ」
「うん、練習はしんど過ぎた」
「なっだからー…!」
「でも、暁斗くんと過ごす時間が嬉しいから、やっぱり幸せだね!」
あなたと過ごす時間はどんな時間も宝物。
「いお……」
ゆっくりと暁斗くんの顔が近づいてくる。
パッ
急に周りが明るくなった。
「わっ…綺麗……」
今年も見れたクリスマスツリー。
しかも点灯の瞬間を。
一昨年はベスト8まで残れたけど、今年は早かったからまだ点灯してなかったんだね。
「また暁斗くんと見れて嬉しいー」
「俺も」
!!!!!!
まさか、そんな素直に“俺も”なんて言われると思ってなかったから、心臓がバクバクに!!
基本俺様で塩野郎な暁斗くんは、こうしてちょこちょこ甘みをぶっこんでくるから心臓がもたない。
「あ!イヤリング!!前以来につけれたよ!!」
なんだか勝手に恥ずかしくなって話を逸らす。
「あぁ。ちゃんと持ってたんだと思った」
「当たり前だよ!!大切だもん!!」
「それに…」
シャラ…
「ネックレスも…。俺が今日用意してたのに、まさか重ねてつけてくるとはな」
暁斗くんが誕生日にくれたネックレス。
「当たり前だよ。宝物だもん。毎日つけてるよ」
「…知ってる」
そう、別れてたあの期間だってずっと。
チュッ
優しく一瞬触れるだけのキス。
「なに物足りない顔してんだよ」
「わっ!!そんな顔してないもん!!」
またこんな意地悪言う。
「なぁいお。ジンクスって信じる?」
「え?ジンクス…?いきなりなに言って…」
「信じるか聞いてんの」
なんだろ、急に。
「わかんない…内容によるかなぁ。でも…」
「でも?」
「ジンクスより、今どうするかの方が大事かなぁって思ったりするかな。なんかうまく言えないけど!」
「ぷっ………」
私がそう言うと、暁斗くんが笑いだした。
「えぇ!?なんかおかしなこと言った!?なんで笑ってるの!?」
「くく…いおらしいなと思って」
意味がわからない暁斗くん。
そう。
きっと、こんな夢のような非現実的な空間を過ごせるのはこれが最後。
「はい」
なら、精一杯楽しまなきゃ損だよね。
「俺と踊ってくれますか?」
ほら、こんならしくないこと言っちゃってさ。
「よろしくお願いします」
王子様に手を差し出す。
結局、暁斗くんがなんでダンスパーティーに出たかったのか理由はわからないまま。
商品が欲しい?
思い出作り?
でも、もうどんな理由でもいいや。
暁斗くんが過ごしたいその“時間”に、私が一緒にいれることが私にとって幸せだから。
だから、精一杯楽しんで精一杯暁斗くんの役に立てるように頑張るんだ。
思いっきり踊ってやる。
・・・・・・・・・・・・
「仕方ねーよ」
意気込みも虚しく、なんと…第2ステージで敗退となった。
一昨年より成績悪いってどゆこと?
私が思いっきり足挫いてこけたから…!!!!!!
わーーーんっ!!
暁斗くん、ごめんなさい!!!!!
「いお、ちょっと来い」
「わっ」
半べその私の腕を掴んで講堂から出て、しばらく歩く暁斗くん。
あ…
なんだか見覚えがある……
一昨年連れてきてもらったバルコニーに着いた。
「これ着て」
そして前のように上着を羽織らせてくれる。
あの頃の気持ちが蘇る。
私、もうあの時はすでに暁斗くんが好きだったんだ。
「懐かしいね」
「覚えてたんだ」
「当たり前だよ」
ねぇ暁斗くん
「ごめんね…私のせいで……優勝出来なくて」
暁斗くんが自分から希望するぐらい出たかったダンスパーティーなのに。
悔しい、、、自分が悔しい!!
じわっと涙が出てきた。
「は?なんで謝ってんの?てか、優勝とかいいし」
「だってー…暁斗くん、自分で出場希望したでしょ!?優勝賞品欲しかったんじゃ…」
パシッ
腕を掴まれた。
「あのな、俺はそんなもん欲しかったんじゃない!」
なんだか、暁斗くんの表情が少し照れたような、でも悔しそうに見える私の視力はまた衰えているのだろうか。
「俺が悪かったよ。また無理矢理付き合わせて。練習もしんどかったろ」
「うん、練習はしんど過ぎた」
「なっだからー…!」
「でも、暁斗くんと過ごす時間が嬉しいから、やっぱり幸せだね!」
あなたと過ごす時間はどんな時間も宝物。
「いお……」
ゆっくりと暁斗くんの顔が近づいてくる。
パッ
急に周りが明るくなった。
「わっ…綺麗……」
今年も見れたクリスマスツリー。
しかも点灯の瞬間を。
一昨年はベスト8まで残れたけど、今年は早かったからまだ点灯してなかったんだね。
「また暁斗くんと見れて嬉しいー」
「俺も」
!!!!!!
まさか、そんな素直に“俺も”なんて言われると思ってなかったから、心臓がバクバクに!!
基本俺様で塩野郎な暁斗くんは、こうしてちょこちょこ甘みをぶっこんでくるから心臓がもたない。
「あ!イヤリング!!前以来につけれたよ!!」
なんだか勝手に恥ずかしくなって話を逸らす。
「あぁ。ちゃんと持ってたんだと思った」
「当たり前だよ!!大切だもん!!」
「それに…」
シャラ…
「ネックレスも…。俺が今日用意してたのに、まさか重ねてつけてくるとはな」
暁斗くんが誕生日にくれたネックレス。
「当たり前だよ。宝物だもん。毎日つけてるよ」
「…知ってる」
そう、別れてたあの期間だってずっと。
チュッ
優しく一瞬触れるだけのキス。
「なに物足りない顔してんだよ」
「わっ!!そんな顔してないもん!!」
またこんな意地悪言う。
「なぁいお。ジンクスって信じる?」
「え?ジンクス…?いきなりなに言って…」
「信じるか聞いてんの」
なんだろ、急に。
「わかんない…内容によるかなぁ。でも…」
「でも?」
「ジンクスより、今どうするかの方が大事かなぁって思ったりするかな。なんかうまく言えないけど!」
「ぷっ………」
私がそう言うと、暁斗くんが笑いだした。
「えぇ!?なんかおかしなこと言った!?なんで笑ってるの!?」
「くく…いおらしいなと思って」
意味がわからない暁斗くん。



