車に乗せてもらって家に向かう。
「あの飯田さん…」
「はい」
聞きたいことがあり過ぎる。
「伊織様?」
「暁斗くん…ちゃんとご飯食べてますか?」
痩せてたから心配。
って、いつまで彼女ヅラしてるんだか私は。
「伊織様…坊っちゃまはー…」
「あ、着きましたね」
あっという間に家に着いた。
「飯田さん、さっきなにか言いかけて…」
「伊織様、ゆっくり休んでくださいね」
あ、これ以上は聞いちゃダメってことかな。
「はい。…あの、これだけ…暁斗くんに渡していただけませんか?」
チーズケーキの入った紙袋を渡した。
ほんとは和希くんに連絡して、お願いしようと思ってた。
「暁斗くんに、もしいらなかったら捨ててねって言っててください」
「伊織様…必ず坊っちゃまにお渡しいたします」
私は飯田さんに一礼をしてアパートの階段を登り始めた。
「伊織様!!!」
飯田さんらしくない、大きな声。
「夜分に大声をすみません…」
「どうしましたか?」
「坊っちゃまを…暁斗坊っちゃまをどうか信じてください。あの人は、あなたのことを心から大切に想っています」
え…
じゃあ、なんで別れたの?
私のことが嫌いになった?って聞いたら、“そう”って答えたじゃん。
なのに、ほんとに信じていいの?
不安やわからないことが邪魔をして、信じたい気持ちと怖い気持ちが交差する。
私は階段を降りて、飯田さんのそばに行った。
「私…今も大好きなんです。フラれちゃったのに…」
我慢していた涙がまた溢れてしまった。
飯田さんにまた迷惑をかけてしまう。
「私から多くは言えず申し訳ございません。ですが、暁斗坊っちゃまは今も伊織様のことを想っています。どうか、少しお時間をいただけませんでしょうか?」
時間。。
「私に出来ることは…」
「お待ちいただくことです。そして、今は推薦入試に向けて集中してください」
あ、そうだ。私受験生だった。
忘れてた、、、
「坊っちゃまが、いおが入試を忘れてるかもって仰っていましたよ」
「な!!それもこれも暁斗くんのせいだし!!」
「いつもの伊織様になりましたね」
あれ…ほんとだ。
いつの間にか、涙が止まっていた。
「大変なワガママ、そしてご無礼を申し上げているのは重々承知しております。ですが…暁斗坊っちゃまには伊織様しかいません。これは私の勝手なお願いでございます。坊っちゃまにもお話ししておりません。どうかお時間を…」
飯田さんが私に頭を下げている。
「飯田さん、頭を上げてください」
やっと信じる気持ちに確信が持てた。
「はい。待ちます。待ちたいです。その代わり、そのチーズケーキ、絶対届けてくださいね」
「…はい。かしこまりました」
飯田さんが車に乗り、帰っていった。
結局なにもまだわかってないけど、やっぱり暁斗くんを信じて待ちたい。
大好きだから。
ーーーーーーーーーーーーーー
「いお、送ったか?」
「はい、無事ご自宅に帰られました」
「ありがとな」
「坊っちゃま!!」
お部屋に入ろうとしている暁斗坊っちゃまを止めた。
「なんだよ…声でけぇ。。」
「申し訳ございません。こちら、伊織様より預かりました。暁斗坊っちゃまに渡してほしいとのことでした」
「いおから…?」
「では失礼いたします」
部屋に入って、まだ痛む右手で紙袋から箱を出す。
箱を開けると、ホールのチーズケーキが入っていた。
俺が作ってって言ったから…?
紙袋の中を見ると、フォークと小さな紙が入っていた。
フォークは…ウチのだな。
飯田が入れてくれたか?
紙は箱の下にあったのか、さっきは気づかなかった。
紙を開くと
【お腹いっぱいになりますように⭐︎】
と、書かれていた。
なんだよ、お腹いっぱいになりますようにって。
「は……いおらしい……」
繋がりを完全に切れない、弱い俺。
どんな気持ちで作ってくれたんだろう。
いお、好きになってごめん。
結局そばにいれなくてごめん。
こんなに好きなのに。
最近、涙腺が弱くなったな。
また涙が出てきた。
サクッ
フォークでチーズケーキを一口食べた。
「うま…」
会いたいよ、いお。
「あの飯田さん…」
「はい」
聞きたいことがあり過ぎる。
「伊織様?」
「暁斗くん…ちゃんとご飯食べてますか?」
痩せてたから心配。
って、いつまで彼女ヅラしてるんだか私は。
「伊織様…坊っちゃまはー…」
「あ、着きましたね」
あっという間に家に着いた。
「飯田さん、さっきなにか言いかけて…」
「伊織様、ゆっくり休んでくださいね」
あ、これ以上は聞いちゃダメってことかな。
「はい。…あの、これだけ…暁斗くんに渡していただけませんか?」
チーズケーキの入った紙袋を渡した。
ほんとは和希くんに連絡して、お願いしようと思ってた。
「暁斗くんに、もしいらなかったら捨ててねって言っててください」
「伊織様…必ず坊っちゃまにお渡しいたします」
私は飯田さんに一礼をしてアパートの階段を登り始めた。
「伊織様!!!」
飯田さんらしくない、大きな声。
「夜分に大声をすみません…」
「どうしましたか?」
「坊っちゃまを…暁斗坊っちゃまをどうか信じてください。あの人は、あなたのことを心から大切に想っています」
え…
じゃあ、なんで別れたの?
私のことが嫌いになった?って聞いたら、“そう”って答えたじゃん。
なのに、ほんとに信じていいの?
不安やわからないことが邪魔をして、信じたい気持ちと怖い気持ちが交差する。
私は階段を降りて、飯田さんのそばに行った。
「私…今も大好きなんです。フラれちゃったのに…」
我慢していた涙がまた溢れてしまった。
飯田さんにまた迷惑をかけてしまう。
「私から多くは言えず申し訳ございません。ですが、暁斗坊っちゃまは今も伊織様のことを想っています。どうか、少しお時間をいただけませんでしょうか?」
時間。。
「私に出来ることは…」
「お待ちいただくことです。そして、今は推薦入試に向けて集中してください」
あ、そうだ。私受験生だった。
忘れてた、、、
「坊っちゃまが、いおが入試を忘れてるかもって仰っていましたよ」
「な!!それもこれも暁斗くんのせいだし!!」
「いつもの伊織様になりましたね」
あれ…ほんとだ。
いつの間にか、涙が止まっていた。
「大変なワガママ、そしてご無礼を申し上げているのは重々承知しております。ですが…暁斗坊っちゃまには伊織様しかいません。これは私の勝手なお願いでございます。坊っちゃまにもお話ししておりません。どうかお時間を…」
飯田さんが私に頭を下げている。
「飯田さん、頭を上げてください」
やっと信じる気持ちに確信が持てた。
「はい。待ちます。待ちたいです。その代わり、そのチーズケーキ、絶対届けてくださいね」
「…はい。かしこまりました」
飯田さんが車に乗り、帰っていった。
結局なにもまだわかってないけど、やっぱり暁斗くんを信じて待ちたい。
大好きだから。
ーーーーーーーーーーーーーー
「いお、送ったか?」
「はい、無事ご自宅に帰られました」
「ありがとな」
「坊っちゃま!!」
お部屋に入ろうとしている暁斗坊っちゃまを止めた。
「なんだよ…声でけぇ。。」
「申し訳ございません。こちら、伊織様より預かりました。暁斗坊っちゃまに渡してほしいとのことでした」
「いおから…?」
「では失礼いたします」
部屋に入って、まだ痛む右手で紙袋から箱を出す。
箱を開けると、ホールのチーズケーキが入っていた。
俺が作ってって言ったから…?
紙袋の中を見ると、フォークと小さな紙が入っていた。
フォークは…ウチのだな。
飯田が入れてくれたか?
紙は箱の下にあったのか、さっきは気づかなかった。
紙を開くと
【お腹いっぱいになりますように⭐︎】
と、書かれていた。
なんだよ、お腹いっぱいになりますようにって。
「は……いおらしい……」
繋がりを完全に切れない、弱い俺。
どんな気持ちで作ってくれたんだろう。
いお、好きになってごめん。
結局そばにいれなくてごめん。
こんなに好きなのに。
最近、涙腺が弱くなったな。
また涙が出てきた。
サクッ
フォークでチーズケーキを一口食べた。
「うま…」
会いたいよ、いお。



