———————————
別れてくれって言ったあとのいおの顔が目に焼き付いて離れない。
そんな顔をさせたいんじゃない。
だけど、そばで守ることも遠くから見守ることも出来ないなんて俺にいおの彼氏でいる資格はないから…
他の誰かと幸せになって
…そんなこと、ほんとはこれっぽっちも思えてないのに
いお
いお
「いお!」
ガバッ!!
あれ…?
夢…か。
ガチャッ
「暁兄、やっと起きた〜」
「え、和希…」
部屋を見渡して自分の部屋じゃないことに気づく。
ズキッ…
右手に結構な痛みが走って見ると、包帯が巻かれていた。
「昨日のこと覚えてる?」
そうだ
いおと別れたことで、もう何もかもどうでもよくなって
どこにも向けられない苛立ちを物に向けてしまった。
「悪かった…」
「暁兄の部屋、徹夜で飯田さんと牧さんが掃除してくれてたからあとでお礼言っときなね」
自分が情けない。。。
「はい」
和希がコーヒーを持ってきてくれた。
「珍し…」
「俺だってこれぐらいするよ!」
「ははっ悪い悪い」
温かいコーヒーが身に染みる。
「話したくなったら話してよ」
「え?」
「ただ約束して」
和希が俺の問いかけには答えず、話を進めていく。
「もう…あんな風になるまでひとりで抱えないでよ」
和希…
「部屋の掃除大変だしさ、それに…こんな風になるまで力になれずにごめん」
「和希」
「ん?」
「“それに”はこういう時には使わねんだよ」
和希らしい。
「べっ別にいいだろ!言い間違いぐらい!」
俺はベッドから起き上がり、和希の部屋のドアを開けた。
「おまえ、朝飯食ったの?」
「えっ、まだだけど」
「んじゃ一緒に食お」
和希が嬉しそうに頷いた。
「あっ俺、いおと別れたから」
きっと和希はもう知ってる。
「なんで…!!」
「じゃ、あとでな」
俺は部屋をあとにした。
飯田と牧さんに謝ろう。
——————————————
あれからみっちゃんの家をあとにして、またまた激安スーパーにダッシュし家に帰ってバイトまでにダッシュである物を作った。
「お姉ちゃん、これチーズケーキ?」
「うん、そうだよ。晴も食べてね」
「わーい!」
そう、暁斗くんが言ってたチーズケーキを作った。
「あら、美味しそうね。伊織、昨日は大丈夫だったの?」
和希くんが来てくれたり、みっちゃんの家に泊まらせてもらったりでお母さんにも謝らなきゃ。
「あのねお母さん、昨日はその…ごめんね」
「伊織。素敵な友達がたくさん出来てよかったわね。なにか話したいことがあったらいつでも言いなさいよ」
お母さんは無理には聞いてこない。
私のタイミングを優先してくれる。
「うん…ありがとう」
紙袋にチーズケーキと保冷剤を入れてアルバイトに向かった。
短いメッセージも入れて。
きっと受け取ってもらえないと思う。
だけど、せめて別れる前のお願いは叶えたいから。
「お疲れ様でした」
コンビニを出ると、飯田さんが待っていた。
「なんで…」
「お疲れ様です。伊織様」
いつものように、飯田さんが私のバイト終わりを待ってくれていた。
「なんで飯田さんが!?」
「暁斗坊っちゃまから仰せつかっておりますので」
え、なんで暁斗くんが!?
もう別れたのに・・・
「ですが、もし坊っちゃまからなにもお聞きしていなくても私はお迎えに上がりますよ」
飯田さんの優しさに夜中ぶりに涙が込み上げてくる。
別れてくれって言ったあとのいおの顔が目に焼き付いて離れない。
そんな顔をさせたいんじゃない。
だけど、そばで守ることも遠くから見守ることも出来ないなんて俺にいおの彼氏でいる資格はないから…
他の誰かと幸せになって
…そんなこと、ほんとはこれっぽっちも思えてないのに
いお
いお
「いお!」
ガバッ!!
あれ…?
夢…か。
ガチャッ
「暁兄、やっと起きた〜」
「え、和希…」
部屋を見渡して自分の部屋じゃないことに気づく。
ズキッ…
右手に結構な痛みが走って見ると、包帯が巻かれていた。
「昨日のこと覚えてる?」
そうだ
いおと別れたことで、もう何もかもどうでもよくなって
どこにも向けられない苛立ちを物に向けてしまった。
「悪かった…」
「暁兄の部屋、徹夜で飯田さんと牧さんが掃除してくれてたからあとでお礼言っときなね」
自分が情けない。。。
「はい」
和希がコーヒーを持ってきてくれた。
「珍し…」
「俺だってこれぐらいするよ!」
「ははっ悪い悪い」
温かいコーヒーが身に染みる。
「話したくなったら話してよ」
「え?」
「ただ約束して」
和希が俺の問いかけには答えず、話を進めていく。
「もう…あんな風になるまでひとりで抱えないでよ」
和希…
「部屋の掃除大変だしさ、それに…こんな風になるまで力になれずにごめん」
「和希」
「ん?」
「“それに”はこういう時には使わねんだよ」
和希らしい。
「べっ別にいいだろ!言い間違いぐらい!」
俺はベッドから起き上がり、和希の部屋のドアを開けた。
「おまえ、朝飯食ったの?」
「えっ、まだだけど」
「んじゃ一緒に食お」
和希が嬉しそうに頷いた。
「あっ俺、いおと別れたから」
きっと和希はもう知ってる。
「なんで…!!」
「じゃ、あとでな」
俺は部屋をあとにした。
飯田と牧さんに謝ろう。
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あれからみっちゃんの家をあとにして、またまた激安スーパーにダッシュし家に帰ってバイトまでにダッシュである物を作った。
「お姉ちゃん、これチーズケーキ?」
「うん、そうだよ。晴も食べてね」
「わーい!」
そう、暁斗くんが言ってたチーズケーキを作った。
「あら、美味しそうね。伊織、昨日は大丈夫だったの?」
和希くんが来てくれたり、みっちゃんの家に泊まらせてもらったりでお母さんにも謝らなきゃ。
「あのねお母さん、昨日はその…ごめんね」
「伊織。素敵な友達がたくさん出来てよかったわね。なにか話したいことがあったらいつでも言いなさいよ」
お母さんは無理には聞いてこない。
私のタイミングを優先してくれる。
「うん…ありがとう」
紙袋にチーズケーキと保冷剤を入れてアルバイトに向かった。
短いメッセージも入れて。
きっと受け取ってもらえないと思う。
だけど、せめて別れる前のお願いは叶えたいから。
「お疲れ様でした」
コンビニを出ると、飯田さんが待っていた。
「なんで…」
「お疲れ様です。伊織様」
いつものように、飯田さんが私のバイト終わりを待ってくれていた。
「なんで飯田さんが!?」
「暁斗坊っちゃまから仰せつかっておりますので」
え、なんで暁斗くんが!?
もう別れたのに・・・
「ですが、もし坊っちゃまからなにもお聞きしていなくても私はお迎えに上がりますよ」
飯田さんの優しさに夜中ぶりに涙が込み上げてくる。



