黒澤くんの一途な愛



青空の下、みんなでお弁当を食べたあと、俺は栞里と原っぱでかけっこをしたり。


シロツメクサが一面に咲く丘で、花の冠を作ったり。


一緒に、四つ葉のクローバーを探したりもした。


『ねぇ、璃久くん。四つ葉のクローバー、どっちが早く見つけられるか競争しない?』

『うん。しようしよう!』


栞里の合図でお互いに少し離れ、四つ葉のクローバーを探し始める。


ところが、探しても探しても四つ葉のクローバーはなかなか見つからない。


俺はだんだん悲しくなって、泣きそうになったとき。


『あった! あったよ、璃久くん!』

『ほんとに!?』


俺に向かって手を振る、栞里のもう片方の手には、確かに四つ葉のクローバーが。


『はい。これは璃久くんにあげる』


こちらに駆けてきた栞里が、四つ葉のクローバーを渡してくれる。