黒澤くんの一途な愛



「あの……3人は、いつも一緒なんですか?」

「ん? ああ。中学からずっと一緒だな」


私の質問に、表情を変えずに答える黒澤くん。


「中学から……いいなぁ」


ここに引っ越してくる前に通っていた中学の友達の顔が、脳裏に浮かぶ。


中学の友達と一緒の高校に進学したけど、途中で私だけ離れ離れになってしまったから。


お父さんの仕事の都合で、こっちに引っ越すことになったから仕方ないのだけど。


世間でヤンキー高校といわれる福羽学園じゃなく、できればあのまま友達と一緒の高校を卒業したかったな。


私はテーブルの下で、手のひらをそっと握りしめる。


「……大丈夫か?」

「え?」

「不安だよな。ただでさえ知らない土地にやって来て、しかも男ばかりで不良しかいないような学校……」

「それは……」


黒澤くんに言われ、私は言葉につまる。