言い終わるのと同時に、私は痛いくらい強く彼に抱きしめられた。
心臓は、今にも壊れそうなほど早鐘を打っている。
「やばい。嬉しくて、どうにかなりそうだ。栞里と同じ気持ちだなんて……!」
私を抱きしめる璃久くんの腕に、力がこもる。
「私も……信じられない。何だか、夢でも見てるみたい」
まさか、璃久くんと本当の恋人同士になれる日が来るなんて。こんな幸せなことがあっても良いのかな。
「夢じゃねえよ」
くすりと笑った璃久くんの指先が、優しく私の目元に触れる。
涙を拭われると、彼は濁りのない瞳で私を見つめた。
「俺たち、これからはずっと一緒だ。何があっても俺は、栞里のことを手放したりはしない」
「うん」
「だから、栞里も……この先何があっても、絶対に俺のそばから離れるなよ。ずっと、俺の隣にいて」
「うん。分かった」
力強く頷くと、璃久くんの整った顔が近づいてくる。
私がそっと目を閉じると、互いの唇が優しく合わさった。



