黒澤くんの一途な愛



* *


私がここに囚われてから、どれくらいの時間が経ったのだろう。


当然私の荷物は没収され、倉庫の窓はカーテンで覆われているから、今が昼なのか夜なのかさえも分からない。


私がずっと家に帰らなかったら、お父さんやお母さんも心配するかな?


縄で縛られている手足を動かそうとするも、ビクともしない。


「おいっ! あんた、余計なことはするなよ!?」


縄を解こうと試みたことがバレたのか、ピンク髪の男に鋭い目つきで睨まれてしまった。


私の近くでは、進藤をはじめとする横峯の仲間たちが交代で見張っているし。


多分、倉庫の扉のところにも見張りの人がいる。


やっぱり、ここからひとりで逃げ出すのは無理なのかな。


口も手足も自由がきかなくて、自分じゃどうすることもできないのがもどかしい。


もし、奇跡的に誰かが私をここから救い出してくれて。


黒澤くんに会えたときは……自分のこの想いをあなたに伝えたい。


そしてこんなときでさえ、私をここから助け出してくれるのは……やっぱり黒澤くんであって欲しいと願ってしまう。


黒澤くん、会いたいよ。


助けに来て欲しいよ、黒澤くん──!