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私がここに囚われてから、どれくらいの時間が経ったのだろう。
当然私の荷物は没収され、倉庫の窓はカーテンで覆われているから、今が昼なのか夜なのかさえも分からない。
私がずっと家に帰らなかったら、お父さんやお母さんも心配するかな?
縄で縛られている手足を動かそうとするも、ビクともしない。
「おいっ! あんた、余計なことはするなよ!?」
縄を解こうと試みたことがバレたのか、ピンク髪の男に鋭い目つきで睨まれてしまった。
私の近くでは、進藤をはじめとする横峯の仲間たちが交代で見張っているし。
多分、倉庫の扉のところにも見張りの人がいる。
やっぱり、ここからひとりで逃げ出すのは無理なのかな。
口も手足も自由がきかなくて、自分じゃどうすることもできないのがもどかしい。
もし、奇跡的に誰かが私をここから救い出してくれて。
黒澤くんに会えたときは……自分のこの想いをあなたに伝えたい。
そしてこんなときでさえ、私をここから助け出してくれるのは……やっぱり黒澤くんであって欲しいと願ってしまう。
黒澤くん、会いたいよ。
助けに来て欲しいよ、黒澤くん──!



