──『そりゃあ気になるよね。自分の好きな子が、他の女の子と一緒に歩いているのを見たら』
いつの日か赤松くんに指摘されたときは、つい否定してしまったけど。
あの頃にはもうとっくに、彼を好きになっていたんだと思う。
コンクリートの地面が、ぽたぽたと涙で濡れる。
手足を縄で縛られ、口には猿ぐつわをかまされ、自分の身が危うい今。
こんなことになるのなら、赤松くんに黒澤くんが好きなのかと指摘されたあのとき、ちゃんと素直になっていれば良かったなって思う。
ダメ元でも黒澤くんに、想いを伝えていれば良かった。
後悔したってもう遅いのに……バカだな、私。
私は、倉庫の天井を見上げる。
黒澤くん、好きだよ。
偉そうで、少し強引なときもあるけど。
ふとしたときに見せてくれる笑顔が、可愛くて。
おばあさんや仲間のことを、大切に思っていて。
ほんとは誰よりも優しい、黒澤くんのことが……大好き。



